今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:49,684 hit
小｜中｜大
No.83 ページ33
「……凛ちゃんって呼んでるんだろ？
――川波さんの前だけで」
「…………それが、何だよ」
「お前のことだから、
からかわれたくないとかそんな理由だと思ってたけど。
――違うだろ？
お前はただ……」
――興味がないだけだろ。
そう言いたいのだろうことはすぐに理解できた。
「――分かったよ。
俺と川波さんは偽の恋人として付き合ってる。
そこに恋愛感情はない」
目を見開く渡辺に俺は笑う。
「驚いただろ？」
「……じゃあ、お前
木ノ下さんのこと分かっててやったのか!?」
「………分かるわけないだろ」
俺を見るたび、
あんな泣きそうな目をしている木ノ下さんの、
その気持ちが迷惑だから、離れるのは――
想いを踏みにじることと同じだ。
木ノ下さんを笑ったあの男のような、
……そして姉さんをそうした男のような、
――そんなことをするわけがない。
ふと木ノ下さんの泣き顔を思い出して、
胸が鈍く痛んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 41人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「目黒蓮」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いちご | 作成日時：2020年2月11日 11時
