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No.79 ページ29
部活が終わり、
実験室に行ってみようかと考えていると、
無駄に部室の外が騒がしかった。
なんだろうと覗こうとすると先輩に肩を叩かれた。
「目黒……お前、
凛ちゃんと付き合ってるのか!?」
「……凛？」
首を傾げると先輩に体を揺すられた。
「とぼけんなよ。
川波 凛ちゃんだよ！」
……そういえば付き合うくせに下の名前も知らなかったな。
「……あー、そうですね。
付き合うことになりました」
その途端、騒いでいた奴らが俺を睨み付けた。
「くっそ……
お前はいつかこうなると思ってたけどよ!!」
「羨ましいんだよ、この裏切り者が！」
なじられ、はたかれ、
何事だと考えていれば妙に落ち着いた表情でこっちを見据える奴がいた。
「……向井」
「悪い、目黒。
……迷惑かけるな」
向井は苦笑してきびすを返した。
……酷いやつだな、と思う。
――あいつも。
「……そういえば先輩なんで付き合ってること知ってるんですか」
いまだ不満なのか、
むくれた顔をする先輩に問いかける。
「……来てるんだよ」
誰が？
わけが分からないという顔をすれば、
先輩は半ば八つ当たりぎみに叫んだ。
「凛ちゃんが来てるんだよ！」
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作者名：いちご | 作成日時：2020年2月11日 11時
