それでも好きになった。② (ページ16)

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No.66 ページ16

～目黒side～

「はあ!?川波さんと別れたのかよ!!」

「……うるさい、渡辺」

顔をしかめ、無駄なオーバーリアクションをする渡辺を睨む。

「……お前ら、一昨日も一緒に帰ってたじゃん」

「……お前としては、喜ばしいことなんじゃない？

あれだけしつこく木ノ下さんはいいのかって聞いてきたんだから」

う、と渡辺は唸る。

「……でも、悪かったよ。

木ノ下さんが言ってたんだ。

私と、目黒くんはもう何の関係もないって」

様子を窺うようにこちらを見た渡辺にうんざりする。

「……それを俺に伝えて、どうしろって？」

「……どうしにかしようってわけじゃねえよ」

お前が頑固なの知ってるし、と呟かれた。

「……お前、なんであの子の話に乗ったんだ？

……そこまで、優しいわけじゃないだろ？

木ノ下さんのことだってそうだ。

お前が木ノ下さんを救おうとしたのには理由があるんじゃないのか？」

「なんの意味もないよ。

――ただ気になっただけ。

親しくなれば、面白いかなと思っただけだよ」

……木ノ下さん。

助けてあげようか？

もう、それを言ったのはずいぶん前だ。

男子に震え、怯えていた彼女に、俺は尋ねた。