対話 ページ6
．
「……」
『……』
少しの沈黙。
最初に口を開いたのは、リヴァイさんだった。
「……悪い、おかしくなっちまってた。」
「許せなんて言わねぇ、ただ……」
「生きていてくれ。」
その言葉に、鼻の奥がツンとなった。
『……いつまで私の前でカッコつける気ですか』
私は笑ってそう言った。
『この行動はあなたの本音でしょう？』
そう告げると、リヴァイさんは髪をくしゃ、とかき揚げ、ため息をついた。
「……適わねぇな。」
「……そうだな、俺はお前を一生閉じ込めていたかった。」
「お前がいなくなって後悔した。
どうしてあの時お前を1人で行かせたのか。
なんで一緒にいて護ってやれなかったか。
そして……お前を壁外で戦わせたこと、兵士として戦わせたこと、命を投げ打たなければならない場所に居させたこと。
全部後悔して、空っぽになって、そこにお前が帰ってきてくれたから、欲が前に出すぎた。」
「改めて言う、……悪かった。お前を傷つけてしまった以上、許せとも言わねぇ、この関係もお前のすきにしていい。
俺をどう扱おうがもう何も構わない。」
リヴァイさんは私を見すえ、ただそう言った。
その言葉を聞いた私は、少しもやっとした気持ちになった。
心外だった。この人にこんなこと言われるなんて。
なんだ、私の日頃の愛が伝わってないのか。
私がこの人を許さないわけが無いのに。大切にしないわけが無いのに。
『……随分と弱気なんですね。』
そんなとこも可愛いけど。
『リヴァイさん、私はあなたを一生愛し続けますよ。これから先、何が起きようとも。離れ離れになろうとも、たとえ死んでも。』
『私の気持ち分かりませんか？
すっごいあなたのこと好きなんですよ、分かるでしょ。』
『あなたを邪険に扱うとでも？』
少しだけ、ほんの少しだけ怒りを込めて言った。
するとリヴァイさんは少し目を見開き、ふっ、と笑った。
『なんです？』
「お前が俺に怒るのが、新鮮でな」
『ん゛っ、かわい……偉そうな真似してすみません』
「いや、いい。それで。」
そして彼はまた、ふっ、と笑った。
心臓が無くなった。可愛すぎだろ。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 691人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「トリップ」関連の作品
【名探偵コナン】全キャラクターが持つ能力を全て扱える様になったから無双する ４２
予知夢〜不死鳥の騎士団(結)〜【ハリーポッター】
惹かれ、裂けんで、転生す。【呪術廻戦】
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
じゃんけん(プロフ) - 1から一気読みしました！ここ睡眠を削ってでもこの小説を読みたい！！となるのは初めてです😂初めて見た進撃の夢小説が貴方様の作品で良かった…更新ゆっくりとお待ちしてます(´˘`＊) (1月16日 6時) (
レス) @page21 id: 3117205f0e (このIDを非表示/違反報告)
にゃーご - 主さんの書く小説の主人公の性格がとても気に入っていて、一気に読みました！完結まで楽しみにしています😊 (12月10日 15時) (レス) id: 2d0f21ce0e (このIDを非表示/違反報告)
ねこねぎ(プロフ) - この小説が大好きで何回も読み返していました。これからも頑張ってください‼️ (10月15日 12時) (レス) @page21 id: 462cd5b1e5 (このIDを非表示/違反報告)
美玖(プロフ) - あああ！更新ありがとうございます！！！これからもずっと更新待ってますので引き続き頑張ってください！！ (7月21日 7時) (レス) @page21 id: 151c111fb9 (このIDを非表示/違反報告)
はろ。(プロフ) - 一気によみました！！！外が明るくなってきちゃいました、、、笑笑最後まで楽しみにしています！ (5月31日 4時) (レス) @page16 id: cc50b990f7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：れび | 作成日時：2022年11月20日 0時
