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存在価値 ページ38

エレベーターが9階に着く。

俺はこじ開けるようにしてドアを開き、902に向かって走った。

後ろからあのイケメンも付いてくる。

入り口の前に着き、ドアのチャイムを鳴らした。

音が廊下に響くだけで、誰も出て来はしない。

くそ…クソッ!!!!!

「ちょ、邪魔。」

イケメンがカードキーをドアノブに当てる。

すると、ピッというと音ともに鍵の外れる音がした。

「…っ!!」

もはや驚かない、そんな余裕もない。

俺は玄関を開き、中に向かって走った。



「ああ…はやかったね。」

旦那はソファで、1人静かにタバコを吸っていた。

煙が辺りに漂って、暗く、薄暗く、白い。

俺はその空気を手で払いながら、男に近づいた。

「…Aは…」

俺が静かに問いかけると、男は笑った。

目は何か、言葉を含んでいて、表情は何を意図したのかわからないぐらい、柔らかい。

「好きな人と愛し合う、背徳感に襲われながら…。

幸せだったんだろうね。ねえ、君にとって、彼女はどれほどの存在?」

男はその柔らかい顔のまま、無感情で俺に問いかける。

彼の肌は白く、身体も細い。

しなやかで、俺とは違う、モデルみたいな。

頭の中で、羨ましさが走った。

「…いなきゃ、生きてけない。」

そう答えると、男はまた、笑った。

「そっか、そっか…そっかあ……。

俺はね、」


男は、俺に近づいてくる。

そのまま壁に押し付けて、俺の耳元で囁いた。


「殺しちゃうぐらい、愛してる人。」



背筋の凍る音がした。


世界が、暗くなった。

恐怖を植え付けて→←君のために、走るから



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ミムラ(プロフ) - なおちゅけさん» ありがとうございます。W不倫ですか…面白いですね!希望のメンバーいますか? (2019年9月30日 21時) (レス) id: 4eee019b1c (このIDを非表示/違反報告)
なおちゅけ - 面白かったです!いきなりのリクエストごめんなさい。W不倫で書いてくれませんか? (2019年9月1日 22時) (レス) id: d14129f611 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - ボードに送っても大丈夫ですか? (2019年7月17日 0時) (レス) id: 1f79981bd4 (このIDを非表示/違反報告)
ミムラ(プロフ) - ともさん» こんばんは。ありがとうございます!大丈夫ですよ (2019年7月17日 0時) (レス) id: 4eee019b1c (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - こんばんは!いつも楽しみにしてます!リクエスト大丈夫ですか? (2019年7月17日 0時) (レス) id: 1f79981bd4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミムラ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年7月15日 23時

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