終わらない夜の始まり ページ32
〜裕太side〜
おかしい。
そう感じたのは、帰国してAに電話をした時だった。
何がおかしかったって、まずは声。
どこか緊張感のある、キツめの声だった。
俺がAの変化に気がつかないはずがない。
なぜなら数年間、彼女だけをずっと見てきたからだ。
彼女だけは、何があっても離さないと誓ってきたからだ。
「すき。」
そう言った時、彼女は
「ありがとう。」
そう答えた。
気づいていないわけがない。
首元から香った、いつもと違う匂い。
違う、男の匂い。
一年前から気づいていた。
俺から心が離れ、別の男の元に行っていることは。
でも、それでも、俺と形を崩さずに居てくれればそれで良かった。
でも、それも今夜で終わりらしい。
気づかないふりは、もう、無理そうだ。
最後だとわかっていたから、俺は、彼女の料理の中で1番好きだったものをお願いした。
あたたかい、美味しい。
でもその反対で、浮かない顔で肉じゃがを流し込む彼女。
気づかないふりを最後まで貫き通そう。
「あのね…」
食器を片付けて、また食卓に向き合う。
普段なら、お互いの今までを語る、好きな時間だったのに。
「…知ってるよ。」
俺は呟く。
「全部、知ってる。」
彼女の息を飲む音が、部屋に響いた。
終わらない、夜が来た。
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ミムラ(プロフ) - なおちゅけさん» ありがとうございます。W不倫ですか…面白いですね!希望のメンバーいますか? (2019年9月30日 21時) (レス) id: 4eee019b1c (このIDを非表示/違反報告)
なおちゅけ - 面白かったです!いきなりのリクエストごめんなさい。W不倫で書いてくれませんか? (2019年9月1日 22時) (レス) id: d14129f611 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - ボードに送っても大丈夫ですか? (2019年7月17日 0時) (レス) id: 1f79981bd4 (このIDを非表示/違反報告)
ミムラ(プロフ) - ともさん» こんばんは。ありがとうございます!大丈夫ですよ (2019年7月17日 0時) (レス) id: 4eee019b1c (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - こんばんは!いつも楽しみにしてます!リクエスト大丈夫ですか? (2019年7月17日 0時) (レス) id: 1f79981bd4 (このIDを非表示/違反報告)
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