THIS CRAZY LOVE

証明 ページ8

昼休み、オフィスの下の階にあるカフェテラスにランチを食べに降りた。

景色のいい、ガラス張りから美しい眺望が楽しめる綺麗なカフェテラスだ。

食べ終わってぼーっとしていると、旦那から連絡が入っていた。

裕太指輪、失くしたの?

心配性の藤ヶ谷のことだ、旦那に伝えたんだろう。

Aごめんね。でも多分家にあるから、心配しなくて大丈夫だよ!

家なんて嘘。絶対宏光の家だ。

「裕太から連絡来たか？」

藤ヶ谷が後ろから声をかけてきた。

宏光とのトーク画面を開きかけていた私は、びっくりしてすぐにその画面を消す。

「…来たよ。わざわざ言わなくてもよかったのに。」

笑いながら言うと、藤ヶ谷は呆れたように

「あのなあ、結婚指輪って結婚してますって形としての証明だぞ？失くすなんて一大事。それに、お前がもの失くすとか…あんまないことだし。」

私の目を真剣に見つめながらそう言ってくれた。

「んー…それもそうだよね。」

そう呟くと、藤ヶ谷は遠慮しながら、私を伺いながら聞いてきた。

「…なあ、昨日家に帰った？」

「え？なに、急に」

冗談めかして誤魔化そうとすると、藤ヶ谷は責め立てた。

「…昨日、家に帰ってないよな。」

「なんでそんなこと…」

「ここ、都内の高級マンションだよな…。誰の家？」


藤ヶ谷が見せてきた写真。

それは、私が宏光の家に入っていくところを撮ったものだった。

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