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「................?」



長い間見ていた夢から目が覚めた。と言うよりかは、どうやら私はずっと走馬灯とやらを見ていたらしい。



となると、ここは天国か地獄、なのだろうか。



いくら天人と言えど沢山の命を奪ってきた私が易々と天国になど行ける訳がない。



きっともうすぐ来る地獄で閻魔様が待っているだろう。それより三途の川はまだなのか。




今に迫る地獄の訪れを待っていると、急に頭上から一筋の光が差し込んだ。



「眩しい.......」


もうじき走馬灯も終わりなのだろう。これで現世とも今までの記憶ともおさらばだ。






「最後くらい顔、見たかったなあ....」






誰に届くはずもない独り言を呟いた瞬間、次は視界が暗くなり何も見えなくなった。



どうしようもない無力感に苛まれながら静かに終わりを待っていると、体が宙に浮いたように感じた。



目を開け状況を確認しようにも、さっきから何故だか目が開かない。



閉じ切った瞼では何も見えないが、どうしてか五感が先程の光の筋を感じ取った。



その瞬間、浮いているようだった体が重力を無視しハイスピードで前進していく。




「地獄に行くのってこんなにスピーディーなの....!?」




まだ辞世の句も読んでないのに....!と若干の後悔を感じながらもどうすることもできず、ただ身を任せていると閉じた瞼がやっと開いた。



目を開けると同時に浮遊していた体が急降下し地に落とされる。死んでしまったのではないかと思ったが既に死んでいるためその心配は無かったし、生きていると錯覚していた自分に笑ってしまった。


地べたにうつ伏せに叩きつけられた体を起こしなんとか立ち上がると古風な街並みとSF漫画の世界の中のような建物が交差した混沌の街が目に入った。



「.........江戸?」


確かに視界一面に広がる景色は私が愛し、そして死んで行った江戸と同じに見える。が、それにしては少し違和感がある。



発展しすぎている。街そのものが



私が生きた時代の江戸は天人による開国の前よりはよっぽど発展していたがそれにしてもまず、、



「こんなデカい建物なんてなかった!!!!」



今私の目の前に映るのは一本の筒状をした大きなビルのようなもの。その周りは宇宙船が何隻も浮遊している。




「確かに宇宙船の出入りはあったけど、あんな大きな建物なんて....」



誰も答えなどくれない問いを繰り返しながら、宛てもなくあの巨大なビルに向かって歩き始めた。

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作者名:あず | 作成日時:2022年10月31日 21時

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