僕の母親代わりは星の魔法使い3！ (ページ27)

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95.アズガバンの囚人ページ27

"素敵な子ね？"

暖かい春の風のような心地よい声が聞こえる。

目を開けると、あの女性の霊が目の前に立っていた。

膝の上で寝ている彼はいない……つまり

主「夢？」

"夢といえば夢、現実といえば現実……な世界かな？"

主「どうして…」

"どうしてこんなところに自分は居るのかって？"

主「……先読みしないでよ」

"私もわからない、意味があるかもしれないしないかもしれない"

主「意味がわからないよ」

"ただ言えることは、未来の事ばかり気にせず、今を生きなさい。貴女は気持ちに嘘をつかないで"

主「…………」

彼女は黙る私を見てニコッとする

主「意地悪な桜の精だな～」

"だって、こんな素敵な彼を苦しめてるのは貴女よ？
両想いなんだから"

主「でもやっぱり考えちゃうよ私が死んだ……」

両頬を彼女の手が包み視線を合わせる。

"未来はどう転ぶかわからない。何が起きるか分かってる訳でもない、それなら今を自由に生きましょ？
これは貴女が幸せになるための物語でもあるのだから……"

視界がだんだんとぼやけて彼女が遠ざかっていく。

主「まっ！！」

目を開けたら周りは明るく枯れた桜の木下だった。

夜、満開に咲いていた桜の花びらはまるで最初からなかったかのように一枚も落ちてなかった。