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A「え!?カナヲちゃんのところにいるの!?」

栗花落「うん。」


先日、時透君から貰った文に書いてあった例の鬼殺隊員は、

なんと今、蝶屋敷で療養中らしい。


過酷な任務で重症だったとか。



A「そうなんだ。…その鬼って、危険じゃないの?」

栗花落「師範によると、人間は食べない鬼らしいよ。」


そうなの?


A「人を食べない鬼なんているの?」

栗花落「わからないけど、屋敷でも今のところは人を食べてないよ。」


それが事実ならその鬼はすごいと思う。



でも、鬼だって生きてるんだから、なにか食べないと生きていけないよね?



栗花落「気になるなら、屋敷に行ってみる?」

A「いいの?」

栗花落「うん。師範も、Aなら許可してくれると思うし。

Aを呼ぶつもりで、蝶は一匹残らず虫籠に入れてきたから。」


カナヲちゃん、流石。





胡蝶 「あら、A。こんにちは。」

A「胡蝶さん!こんにちは!アオイさんも!」

神崎 「ご無沙汰しています。Aさん。」


蝶屋敷に行くと、胡蝶さんとアオイさんが縁側を歩いていた。
こちらに気づくと、駆け寄ってきた。


神崎 「どこか怪我でもなさったのですか?」

A「いえ。実は…。」


私は時透君からの文に書いてあったことを話した。



胡蝶 「それであなたは、彼に会いに来たと…。」

A「はい。でも、療養中ですし、ダメもとで。」

胡蝶 「会って話すくらいなら問題ありませんよ。」



え?



A「本当ですか?」

胡蝶 「ええ。
これからアオイが彼らに薬を持っていくところだったので、ついていくといいです。」

A「分かりました。」

神崎 「一人とても騒がしい方がいますが、無視してください。」

A「え、うん。」


誰なんだろうその子って。



あ、そうだ。


A「カナヲちゃんは行かなくていいの?」

栗花落「ええ。いいの。」

A「でも、友達になれるかもよ?」



栗花落「…いいの。どうでもいいから。」


そうか…。
私や胡蝶さんたち以外には、みんなそうだものね。


神崎 「では、行きましょう。」


私はカナヲちゃんに手を振り、アオイさんのあとへ続いた。

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作者名:照山紅葉 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年11月1日 0時

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