【d!】溺れる程に愛したい (ページ6)

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六話ページ6

｢Aさん、これ良いって言うまで終わらないやつですよ｣

『いや…うん。分かってる』

どうしてもと言うならしょうがない。

もう出る時間なのでコネシマに自分のマントの予備を着せて魔力で動かしている馬車に乗せた

｢A本当に魔力使えるんやな！｣

『まぁ便利だよ、コネシマあんまり顔出したら危ないからやめなさい』

｢じゃあ俺ここ座るな｣

よいしょっ、と座った場所はAの膝の上

満足そうに笑うと手遊びを始めた

『…コネシマ』

｢？｣

『君は親を殺されると言われても驚かないんだね』

｢俺やって何回も殺せたらって考えたで、でも結局は自分の力の弱さに打ちのめされるだけやってん

エーミールが昨日にも言った通り彼奴らは魔力が強い家系や。Aがどれだけ魔法使えるか分からへんけど実際追い込める程行けるかは…｣

『大丈夫、それよりもう少し詳しくも聞いていいかい？住んでた時の出来事について』

｢ええで｣

＿＿＿＿

コネシマから色々聞いた。

手を挙げられたのは数え切れない程でボルジャー家に仕えていた人ほとんども魔力が強いため見て見ぬふりして上から目線だったらしい

父親が特に酷く、多分大黒柱の立ち位置だろうと考えた

話した殆どの原因は父親からの指示でされていたと。

『もう少し早くコネシマに会えたら良かったのに
そしたら早くから気付けたというのに』

周りの情報に無関心だったのがダメだった

Aが無意識に険しい顔をするとコネシマは自分の事でここまで真剣に悩んでくれていることに嬉しく感じた

｢俺、彼奴ら全員消して欲しい

でも、Aに死んで欲しくない｣

『大丈夫だよ私はこう見えて強いからね』

｢そんなポーズしても見えへんで？｣

むんっとムキムキポーズをしながら強そうに見せるが見るからに強そうには見えない

でもどこかでAは絶対やってくれると確信している

前まで住んでいたところでは絶対に感じなかった穏やかな空気感が心地よく感じた