第204話 ページ7
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Noside
半人半魔、A。旧称『 No.06 』は人間界から魔界へ連れ込まれた人間であった。
勿論、連れ込んだのはキリヲではない。
______X年前。
それは、悪魔の血液を使用して人間の遺伝子操作を行うという非道極まりない実験だった。
彼ら悪魔は文字通り " 完璧なる存在 " を造り出そうとしていたのだ。
「No.06はB-021を投与して経過観察とする。」
解剖台のように冷たく硬い台の上に人間が一人。No.06だ。
それを取り囲むようにして数人の悪魔が立っている。傍らには何本もの注射器が置かれ、No.06には既にいくつかのチューブが白い腕に刺さっていた。チューブは常に血液を運んでいる。
注射器のほとんどにも中に血液が入っていて、少し赤みが強かったり、黒かったりと各々違う色のものが入っていた。どうやら全てが全く同じものではないらしい。
『………っ、』
意識があるのか、No.06は自分の腕に刺さる注射器と入り込む血液に顔を顰めた。
「次、血の反応で加える
人間の反応を結果としか捉えない悪魔達は人間の顰め面などお構い無く次々に血液とその他の薬品を加えていく。
その度にNo.06の腕には注射痕が増えていった。
「風魔術を得意とする悪魔の血液は人間の血液に順応しやすいことがNo.03で判明したため、相性の悪い悪魔の血液は使用しないように。」
「No.04との比較のため、No.05と06にはより多くの魔術が使える
人間の頭上でたくさんの悪魔の声が飛び交うが、どれをとっても無機質なものだ。
しかし、それこそがNo.06……否、6人の人間たちの日常であった。
人間界への渡航により得た人間、6体。
以降をNo.01〜06とする。
No.01:失敗
No.02:失敗
No.03:失敗
No.04:失敗
No.05:失敗
No.06:成功(試作段階)
失敗、成功要因については別紙に記載。
次段階では試作段階で成功したNo.06の状態持続の調節と記憶混濁の排除、性別消失による身体状態の安定を実行する。
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紫咄(プロフ) - ティアさん» コメントありがとうございます!面白く新鮮な話を書くのが作者の目標なのでとても嬉しいです✨これからも頑張ってまいります! (4月2日 0時) (レス) id: 0a579820f3 (このIDを非表示/違反報告)
ティア(プロフ) - 春休みなのでシリーズ最新まで一気見しました!!すっっっごく面白いし泣いてしまいました………続き楽しみに待ってます!!頑張ってください!!! (4月1日 7時) (レス) @page31 id: 9f0c7fadf2 (このIDを非表示/違反報告)
紫咄(プロフ) - 夕宙さん» ありがとうございます!シリーズ1からは嬉しいです…泣作者の書きたい放題に思案しながら書いているのでとても励みになります!これからも頑張ります! (3月9日 15時) (レス) id: 0a579820f3 (このIDを非表示/違反報告)
夕宙 - シリーズ1から読ませてもらってます。無性くんのキャラというか性格というか、とにかくキャラ設定やストーリー大好きです(語彙崩壊)。続きが気になる……!これからも頑張ってください!応援してます。 (3月9日 13時) (レス) @page21 id: 6731466818 (このIDを非表示/違反報告)
紫咄(プロフ) - 久遠さん» コメントありがとうございます!とても嬉しいお言葉✨作者もエイト先生は大好きです!これからも頑張ります! (3月5日 20時) (レス) id: 0a579820f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫咄 | 作成日時:2024年2月11日 21時