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第212話 ページ15





Noside



…………………元祖返り。

以前アスモデウスがキリヲの元祖返りを見抜けられたのは、バラムに堕ち過ぎた悪魔の映像を見せてもらっていたからだ。見た者はバラムの弟子であるアスモデウスとサブノックのみだったために、Aのそれには二人しか気づけなかった。

アスモデウスとサブノック以外の問題児(アブノーマル)から当惑の声が漏れる。実際、必死になってAに攻撃を続ける二人も何が何だか分かっていなかった。

元祖返りなのは間違いない。
しかし そんなはずはない、という思考が脳をよぎり感情が追いついていないのだ。


Aに至っては、そんなクラスメイト達の様子など 関係ない、と言う風に無表情で虫でも払うかの如く容易にアスモデウスの炎を払う。





「……なッ、」





今までアスモデウスと互角だったAとは思えないほどの実力の差にアスモデウスとサブノックは驚きに目を見開く。それが、二人に隙を生んだ。





「?!」





Aに腹部を勢いよく蹴られ、サブノックが吹き飛ばされる。大きな衝撃を受けたサブノックは蹴られる寸前に盾を生成するも、威力を殺すには足りなかったようだ。
壁に吹き飛ばされ、途端に舞う粉塵からイルマ達の視界がクリアになっても、サブノックはそのまま動かなかった。





「サ……」





___サブノック!





そう言おうとしたアスモデウスの声も、Aによって遮られる。





「ぐ……ッ!」





Aがアスモデウスの首を片手で掴み、地面へと叩きつけたのだ。馬乗りになったAは首を掴む手を増やし、両手で一気に力を強める。





「アズくん!!!」





顔面を蒼白させたイルマが叫ぶ。



Aが首を絞めるその光景は正に……殺しだった。






××××××







イルマside



 どうしよう



嫌な緊張感が全身に広がり、身体が強ばる。



 どうしよう
 どうしよう



反射で弓は構えているのに、身体が動かない。
目の前でアズくんが苦しそうにしているのに、Aくんも僕に背を向けているのに…



 ……撃てない



心臓の動きが早まり手も震えて言うことを聞かない。
自分の呼吸が荒くなっていくのが分かった。



 怖い





「はぁ……っ、はぁ…っ、」





 怖い



友達を撃とうとしている自分が、怖い。

でも、このままだとアズくんが……。最悪の想像が頭に浮かんでしまったその時、




………アズくんが、動かなくなった。



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紫咄(プロフ) - ティアさん» コメントありがとうございます!面白く新鮮な話を書くのが作者の目標なのでとても嬉しいです✨これからも頑張ってまいります! (4月2日 0時) (レス) id: 0a579820f3 (このIDを非表示/違反報告)
ティア(プロフ) - 春休みなのでシリーズ最新まで一気見しました!!すっっっごく面白いし泣いてしまいました………続き楽しみに待ってます!!頑張ってください!!! (4月1日 7時) (レス) @page31 id: 9f0c7fadf2 (このIDを非表示/違反報告)
紫咄(プロフ) - 夕宙さん» ありがとうございます!シリーズ1からは嬉しいです…泣作者の書きたい放題に思案しながら書いているのでとても励みになります!これからも頑張ります! (3月9日 15時) (レス) id: 0a579820f3 (このIDを非表示/違反報告)
夕宙 - シリーズ1から読ませてもらってます。無性くんのキャラというか性格というか、とにかくキャラ設定やストーリー大好きです(語彙崩壊)。続きが気になる……!これからも頑張ってください!応援してます。 (3月9日 13時) (レス) @page21 id: 6731466818 (このIDを非表示/違反報告)
紫咄(プロフ) - 久遠さん» コメントありがとうございます!とても嬉しいお言葉✨作者もエイト先生は大好きです!これからも頑張ります! (3月5日 20時) (レス) id: 0a579820f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫咄 | 作成日時:2024年2月11日 21時

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