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第208話 ページ11





ポロside



Aという悪魔、ヴァイオリンの演奏しか見たことはなかったけれど、恐ろしいほどに伸び代がありすぎる。
かと言ってその辺の虫みたいな弱さでもないが、(すこぶ)る強いというわけでもない。



 中の上ってところね…

 悪周期状態でもっと鍛えれば悪魔学校(バビルス)教師の一人くらい、簡単に抑えられるようになる



あの悪魔に秘められた力はそれほど強力なものだった。この調子だと悪周期状態で正気を保てるようになるのもすぐだろう。



 悪いことだらけでしょうけどね

 …Aの身体には



そんなことを他人事(ひとごと)に考える一方で、同時に コイツが死ぬのは惜しい、なんて思ってしまう自分もいた。



 ……まぁ、全然私のタイプではないけれど



アトリの攻撃を盛大に喰らって倒れ込むAに近寄り、小さく無駄に頑丈な身体に言葉の鞭を振るう。





「さぁ立ちなさい、おチビちゃん。

今度は二粒飲んでもらうわよ。」





『鬼だ……。』





「失礼ね、食べるわよ。」






××××××







貴方side





『容赦を知らない悪魔達め……。』





部屋に戻りながら忌々しい悪魔達の文句を並べる。着替えようと思った矢先、セミダブルのベッドの上にいつものシャツが置いてあることに気づいた。
監 禁 されていた当時から変わらないが、毎度毎度なぜシャツだけなのかが謎だ。どうでもいいことだが。

自然と溜息が零れる。





『……そこで何してるの、』





誰もいない部屋ではない。
キリヲが布団の下に隠れていることは初めから気配で分かっていた。ボクの呆れ声にキリヲはにっこりと笑んで布団から顔を出す。
いつもかけている眼鏡を外しているせいか、少しだけ妙な感じがした。





「冷える思て、温めてたんよ。」





『誰が君の温もりを感じながら眠りたいと思うの。』





「相変わらずのツンツンやねぇ、」





はははー、と花でも舞うように笑うキリヲを無視してシャツを取ろうとベッドに手を伸ばす。…が、





『……っ、』





直後、白い腕に掴まれて強い力と共に布団の中へ引き摺りこまれる。当然、それの正体はキリヲだった。
今の今まであれほど和やかに笑んでいたのに、ボクの両手をベッドに押さえつける眼前のキリヲには見る影もない。
再び溜息が漏れ、部屋に入った時と同じ質問をする。





『何してるの、』



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紫咄(プロフ) - ティアさん» コメントありがとうございます!面白く新鮮な話を書くのが作者の目標なのでとても嬉しいです✨これからも頑張ってまいります! (4月2日 0時) (レス) id: 0a579820f3 (このIDを非表示/違反報告)
ティア(プロフ) - 春休みなのでシリーズ最新まで一気見しました!!すっっっごく面白いし泣いてしまいました………続き楽しみに待ってます!!頑張ってください!!! (4月1日 7時) (レス) @page31 id: 9f0c7fadf2 (このIDを非表示/違反報告)
紫咄(プロフ) - 夕宙さん» ありがとうございます!シリーズ1からは嬉しいです…泣作者の書きたい放題に思案しながら書いているのでとても励みになります!これからも頑張ります! (3月9日 15時) (レス) id: 0a579820f3 (このIDを非表示/違反報告)
夕宙 - シリーズ1から読ませてもらってます。無性くんのキャラというか性格というか、とにかくキャラ設定やストーリー大好きです(語彙崩壊)。続きが気になる……!これからも頑張ってください!応援してます。 (3月9日 13時) (レス) @page21 id: 6731466818 (このIDを非表示/違反報告)
紫咄(プロフ) - 久遠さん» コメントありがとうございます!とても嬉しいお言葉✨作者もエイト先生は大好きです!これからも頑張ります! (3月5日 20時) (レス) id: 0a579820f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫咄 | 作成日時:2024年2月11日 21時

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