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どんな反応か楽しみだなぁ、などと呑気なダリが例の箱へ手をかけた直後…
「熱っ!」
小さな悲鳴と、弾かれたように離れたダリの指先は真っ赤に染まっていた。
ぎょっとした様子で即座にイチョウが箱へ魔術をかける。するとその箱はすんなりと開き、中から物凄い量の湯気が立ち込めて辺りを支配した。
「………っはぁ、やっと開いた…
イチョウに…ダリ先生、ありがとうございます。」
仕掛け人である俺たちが助けに来たのだと勘違いしたのか、エイトは上半身を起こしながら感謝を述べる。
「……あ、あぁ…ごめん、エイト先生……」
エイトの言葉に流石に良心が傷んだダリは謝罪するが、その声は徐々に別のものに意識を向けられた。
『……死ぬかと思った…』
動く気力もないのか、エイトに体重を預け、汗を大量に流し、その気持ち悪さと自身の火照った顔にただ顰め面をして小刻みに呼吸するA。
ダリとイチョウの目はそれに縫われ、数秒後に薄く頬を赤らめた。
「なん、というか……刺激的だね…?」
『…?何の話ですか……、』
ただでさえ暑さで機嫌の悪いAはその場でただ一人、ダリの言葉の意味を理解できず目つきの悪いまま頭上に疑問符を浮かべる。
その様子にエイトは安心と疲労から漏れ出た長い溜息を吐きながら、内心でよく耐えたと自分を褒め続けるのだった。
終
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【 アクドル 】&【 教師陣 】--- 女主→←--- 続き
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紫咄(プロフ) - ももさん» レスありがとうございます!楽しく読んでいただけたようで嬉しいです! (2月28日 23時) (レス) id: 0a579820f3 (このIDを非表示/違反報告)
もも - 紫咄さん» リアルのほうで色々あり、ずっと見に来れずですみません……小説、最高でした…!おかげでニヤニヤが止まりません( 神作品をありがとうございます! (2月28日 22時) (レス) id: 710a8daeb1 (このIDを非表示/違反報告)
ぼーる。(プロフ) - 紫咄さん» こちらもドンピシャでした…!ありがとうございます! (2月16日 15時) (レス) id: f43dd9d3e3 (このIDを非表示/違反報告)
紫咄(プロフ) - ぼーる。さん» リクエスト完了いたしました!前回のお話が解釈一致で安心しました…!二度目のリクエストありがとうございます!楽しく書かせていただきました!お話の改変や新たなリクエスト等あればまたコメントにてお願いします。 (2月13日 14時) (レス) id: 0a579820f3 (このIDを非表示/違反報告)
ぼーる。(プロフ) - 紫咄さん» 書いて欲しいものそのままでずっとニヤニヤしていました…!続けてのリクエストですが、『子供が産まれてみた』(女主)で書いていただけるでしょうか…?お願いします…! (2月7日 10時) (レス) id: b3d9f0a76a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫咄 | 作成日時:2023年5月7日 12時