【 アクドル 】&【 キリヲ 】--- 女主 ページ20
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貴方side
大きなドームに大きな歓声が響く。
それもそのはず、前のチームの歌とダンスにはそれほどの迫力があったからだ。
対して私たちとくれば……
「無理…こんなん絶対無理………あかんわこれ…」
出番直前にして、ゴフ、と吐血し倒れるチームメイト。とは言えメンバーは私含め二人という名ばかりのチームなのだが。
これは……大丈夫かな…………
『すみません、
雑巾でも何でもいいので血を拭えるものお願いします……。』
衣装に血が着いてしまわないようにキリヲ先輩の口をハンカチで抑えながらスタッフに頼む自分の顔はきっと青白いことだろう。
それもそうだ、私だってアクドル経験は未だかつてない、
まるで出番直前とは思えない私たちの様子にスタッフたちも冷や汗が頬を伝っている。
そもそも、なぜ休日にアクドルの真似事などしているのか。話は数日前まで遡る。
________6日前。
「お前たちに仕事がある。
…………まぁ、これは押し付けのようなものだが…」
入学してもうすぐで一年経とうとしていた。
もう右も左も分からない…なんてこともなくなり、平穏に日々を過ごしていた矢先に生徒会室へ呼び出し。
キリヲ先輩と、二人で。
「実は放送師団団長から依頼…募集があってな…」
生徒会長にだけ座ることの許された椅子に腰掛けて難しい表情をしているのはアメリ会長だ。入学して一年も経たずにその椅子に座っているのを見ると、同学年として素直にすごいと思ってしまう。
これを見ろ、と一枚の紙を渡されてキリヲ先輩と覗き込めば、それはどうやらアクドルのイベント案内のチラシらしく、可愛い女の子がでかでかと載っていた。
「実はそれに出るはずだったチームの一つがこの前喧嘩別れしたらしい…
そこでお前たちにはそのチームの代わりとしてステージに出てもらう。
………残念だが拒否権はない。」
……………………。
ゴフッ
暫くの沈黙のあとに、隣でキリヲ先輩が気絶し会長が溜息を零して他の生徒会員に床を拭かせる。
全く、どちらが上級生か分かったものではない。
『ええと……二人でですか……?』
「ああ、そうだ。
魔具研究師団はお前たち二人しかいないだろう?」
『全くその通りデス……』
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紫咄(プロフ) - ももさん» レスありがとうございます!楽しく読んでいただけたようで嬉しいです! (2月28日 23時) (レス) id: 0a579820f3 (このIDを非表示/違反報告)
もも - 紫咄さん» リアルのほうで色々あり、ずっと見に来れずですみません……小説、最高でした…!おかげでニヤニヤが止まりません( 神作品をありがとうございます! (2月28日 22時) (レス) id: 710a8daeb1 (このIDを非表示/違反報告)
ぼーる。(プロフ) - 紫咄さん» こちらもドンピシャでした…!ありがとうございます! (2月16日 15時) (レス) id: f43dd9d3e3 (このIDを非表示/違反報告)
紫咄(プロフ) - ぼーる。さん» リクエスト完了いたしました!前回のお話が解釈一致で安心しました…!二度目のリクエストありがとうございます!楽しく書かせていただきました!お話の改変や新たなリクエスト等あればまたコメントにてお願いします。 (2月13日 14時) (レス) id: 0a579820f3 (このIDを非表示/違反報告)
ぼーる。(プロフ) - 紫咄さん» 書いて欲しいものそのままでずっとニヤニヤしていました…!続けてのリクエストですが、『子供が産まれてみた』(女主)で書いていただけるでしょうか…?お願いします…! (2月7日 10時) (レス) id: b3d9f0a76a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫咄 | 作成日時:2023年5月7日 12時