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第21話 ページ22





『すみません、イルマ様。所用ができました。』





「え?…ちょ!Aくん?!」





当惑の声を背中に失礼します、と駆け出してから十数分。

嫌と言うほどに知っている、キリヲ(あいつ)の魔力を辿って隠し扉の向こうにある部屋へと足を踏み入れる。






いつぶりだろうか、
本当の意味で悪魔のような悪魔(・・・・・・・・)と対面したのは。





「やっぱり、君には見つかるんやね。






_____________Aちゃん(・・・)





『……その呼び方、気持ち悪いよ』





数年前?数ヶ月前?……きっとそんなに長くない。

なぜならボクが逃げ出した地獄とは、アミィ・キリヲ自身なのだから。





「僕から逃げて一週間弱やね、寂しかった?」





『……そう見える?』





薄笑いを浮かべれば、キリヲは 相変わらず冷たいなあ、と満更でもないように頬を赤らめた。



 …………気味が悪い





「僕と一緒にいた頃は、ええ顔してくれたんやけどなあ



睨みつけてくる視線も、痛みに歪む顔も全部良くて、

僕が好きなんは絶望する顔なのになんでやろって思ってたけど……」





一瞬だけ、脳裏をチラつく記憶。
惑わされてはいけない、目の前にいるのは悪魔だ。ボクは震えそうな手をぎゅっと握りしめた。





「…Aちゃんがいなくなって、ようやく気づいたんよ」





『……。』





「僕は、Aちゃんのことが好きなんやって!」






××××××







キリヲside



思い出すだけでも、身体が熱を持つ。

初めは興味本位だった。
宛がないと、傷だらけで僕らの拠点に来たあの悪魔()には、性別がなくて。

この悪魔()の絶望した表情(カオ)はきっと綺麗で、自分の好みだと、そう直感し彼を閉じ込めた。



 兄さんには感謝しいひんと



Aちゃんが逃げた時に幻覚魔術をかけて悪魔学校(バビルス)に誘導したのも、彼の心から絶望する顔が見たいからだ。



 逃げた先に、
 恐怖と憎悪の対象者である僕と再会したら……



 キミは、どんな風に、






 _____絶望(・・)してくれるんやろう



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紫咄(プロフ) - もこさん» コメントありがとうございます!全員推し分かります!皆が皆良いキャラでいくら書いても書き足りないくらいです笑これからも更新頑張ります! (6月7日 19時) (レス) id: a9de1191b0 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 初コメ失礼します!私愛され大好物なので嬉しいです!魔入りました入間くんのキャラ全員推しなので嬉しいです!更新頑張ってください! (6月7日 19時) (レス) @page5 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
紫咄(プロフ) - ガイさん» ありがとうございます!頑張って執筆しますのでまた読みに来てくれると嬉しいです! (2023年4月30日 14時) (レス) id: a9de1191b0 (このIDを非表示/違反報告)
ガイ - 面白かった。←いつもは、こんなキャラじゃありません!!(*/□\*)かぁ〜// (2023年4月30日 14時) (レス) id: 5793000cce (このIDを非表示/違反報告)
紫咄(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます!とても励みになります!これからも頑張って執筆していきますので読んでいただけると嬉しいです。 (2023年4月7日 23時) (レス) id: a9de1191b0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫咄 | 作成日時:2023年1月1日 23時

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