暴言二十二 ページ29
取り敢えず私は対話を試みた。何故って隣で敦くんがパニック起こしてるから。
『やぁ中原中也君!一体どうしたんだい?額に青筋浮かせて!』
「この状況で「どうした」なんてよォ……巫山戯てンのか?いっぺん死ぬか?」
えっこの人何にキレてんの?なんで地獄少〇みたいなこと云ってるの?今世紀最大の謎なんだけど…?
「隣の男のことに決まってんだろ鈍間!!!」
首をひねり続ける私に堪忍袋の緒が切れたのか(まあ元から切れてたけど)、中也が怒鳴り声をあげる。
ここが防音完璧でよかったね、でも鈍間とはなんだこら。
目線を中也から隣の敦くんに移し、私はすべて理解した。
とどのつまり、自分の家に知らない人をあげるなと。さすがマフィア幹部、なんとまあ注意深い。
ってことは敦くんのことを知ってもらえばいいのね
『じゃあ紹介するね、此方武装探偵社の新入り、中島敦くん』
「名前とか興味ねェよ
つーか知ってるわ 芥川が追ってた人虎だろ」
『18歳です』
「歳なんざ聞いてねェ」
『170cmの55kg』
「身長も聞いてねェよ!莫迦にしてンのか!」
『AB型で、異能力は月下獸』
「だからンなモンどうでもいいっつの
人虎の異能は疾っくに知ってる」
『好きなものは横濱と茶漬け、猫にカメレオン
嫌いなものはじぶ「だっから好みも聞いてねェ!!!!」……んと昔居た孤児院』
『もー、じゃあ何が聞きたいの!なんでそんなにイラついてンの!?「いやなんでそんなに僕のこと知ってるんですか!!?」』
きょとん、とした目で敦くんを見ればえっ!?って感じの戸惑いの目線を送られた。……なんかごめん………?
『一応これでも情報屋やってるからかな……』
正直にそう返すと、少し間を置いてから「そうだった……」と声をあげる敦くん。
(その隣で大魔王が貧乏ゆすりを始めた。やばい殺される。)
「此奴のことを聞きてェんじゃねーよ
手前が昼間っから家でこの野郎と浮気してっから
随分仲が良いみたいだなァおい、なんて中也が凄む。
その言葉で漸く現状を理解した私と敦くんは、「えっいや」『中也ちが、』と弁明しようと試みる。
だが中也は聞く耳を持たず、「もういいわ」と踵を返して家を出て行ってしまった。……何なの彼奴…
『ったくもー…』
慌てる敦くんに一言謝ってから、私は中也を追いかけて家を出た。
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ライム - もう更新はしないんですか?すごく面白いのでできれば完結まで進めてほしいのですが、 (2023年3月5日 5時) (レス) @page32 id: e7904a37c4 (このIDを非表示/違反報告)
眠夢_(プロフ) - なるほどぉ… 神ですか?あっ、ほんほん。だと思いましたよっ!これからも応援してますので、頑張ってくださいっ!!あれ、誰と話してるんだろuu((( (2021年3月21日 3時) (レス) id: 7e61cd56ff (このIDを非表示/違反報告)
akane_朱音 - ごちうさネタで戸惑う敦君可愛い (2019年10月17日 12時) (レス) id: 54998763e1 (このIDを非表示/違反報告)
鏡の国のアリス - あと何分…?!お、終わり?!あ、あの、無理せず頑張って生きてください!ずっと待ってます…! (2019年8月30日 14時) (レス) id: 19bb89c399 (このIDを非表示/違反報告)
福永陽太(プロフ) - 面白いと思います!・・・ご注文はうさぎですか?知ってるんですね (2018年9月23日 9時) (レス) id: 044a8ccaf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蟻 | 作成日時:2017年10月10日 21時