装飾品オレンジ ページ6
「…?いや、別に中原先輩でも堅苦しくは…」
というかそれが普通なのでは……?私の普通の感覚がおかしいのか?それとも先輩の?
先輩は足を止め、一度後頭部を掻き、目線をそらして言った。
「別に名前でもいいだろ
その……友達、なんだし?」
なんだこの可愛い生物。
正直そう思う。変態臭いとか言わないでね。
ツンデレなのか友達って言葉に慣れてな…後者はないな、ツンデレなのか。
理由はともあれ、拗ねたように唇を突き出してそう呟く先輩、本音で言おう、可愛すぎる。
あれ、というかいつの間に友達になったんだっけか。
まあいいや。
「…それじゃあ……中也先輩?」
「おう、A」
_____草薙A、高校生。
(かなり唐突ですが)学校の人気者と名前で呼び合う仲になりました。
「ていうか、今更ですけど名前教えましたっけ?」
再び歩き出しながら、ふと感じた疑問をぶつける。
「否、聞いてねェな…偶々知ってただけだ
手前毎日、帰りは俺の前歩いてっから」
ちょーどそこらへん、と自分の斜め前方を指さす先輩。
……全く気づかなかった…。
音楽聴きながら帰るのやめるかな…
「そうですか?私後は振り返らない主義なので気づきませんでした」
「なんだそのよく分かんねぇ主義」
「ていうか中也先輩って学校全員の名前知ってそうですね」
「は?な訳ねーだろ」
なんか、中也先輩って
「えっそうですか?てっきり学校のみんなお友達なのかと」
「…純粋に言ってんのか?馬鹿にしてんのか?」
思ってたよりずっと面白い人だなぁ。
「ご自由に捉えてください」
夕焼けに照らされて、二人共朱に塗られて。
私が歩くのが苦じゃないのは、きっと先輩が歩幅を合わせてくれてるからであって。
私のバッグについた〇ニオンのストラップと、
中也先輩の鞄に付いている金属製のタグが、
同じリズムで揺れていた。
________
「送ってくれてありがとうございました」
「別に、どうせ帰り道だしな」
結局家の前まで中也先輩と道が
マンションエントランスの前で軽く頭を下げる。
おう、また明日な なんて言って先輩はさらに奥の道へと歩いていった。
……なんか、楽しかったな。
他愛もない話ばかりだったけど、先輩は本当に話上手だった。
満たされた思いと共に鍵を取り出すと、ふと床に何かが落ちてるのに気づいた。
「……あれ、これ中也先輩のタグ…?」
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うめ - 面白かったです! (2022年11月4日 16時) (レス) @page16 id: 4a5ffcef28 (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - 合格おめでとうございます!無理のない程度に、更新頑張ってくださいね! (2018年2月25日 0時) (レス) id: 48ae29e69a (このIDを非表示/違反報告)
蟻(プロフ) - 亜紀さん» うわわ有難うこざいます!!気に入って頂けて幸いです 本当鈍間ですが出来るだけ更新できるよう頑張りますね!応援嬉しいです、有難うこざいます! (2017年8月23日 23時) (レス) id: 3fe15a6fb8 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀(プロフ) - このお話とても気に入っています!更新頑張ってくださいね!応援しています (2017年8月23日 23時) (レス) id: 21ee1b79e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蟻 | 作成日時:2017年8月19日 21時