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終始和やかなムードで進んだミーティングで、
今回の広告に携わるメンバーも仲良くなり、
ミーティング終了後は和気藹々と談笑している。
ああ、これで一安心だな、
と心の中で一息付きながら、会議室の片付けをするべく、資料の整理を始める。
『これ、どうぞ。』
はい、と手渡しで余った資料を持ってきたのはほくだった。
一瞬、目の前に来たことに驚いたが、普通を装って、ただありがとうございます、と余所行きな返事だけした。
すると、どんどん詰め寄り、私の耳元に顔を近づけて
『ねえ、今日これで仕事終わりだから一緒に帰ろうよ。
久々に色々話したいんだけど。』
とコソコソ言う。
ただでさえ、ほくに耳元で囁かれるだけで照れるのに
ここは職場。相手はオファーしたモデルだ。
そんな先方と個人的繋がりがあると知られたら大変めんどうくさい。
「幼馴染ってバレたらめんどくさいからちゃんと隠して!」
と小声で話せば、え?って聞き取れなかった様子で顔を寄せてくる。
この状況をバレてはいけないという緊迫感で鼓動は早く、顔も紅潮していたに違いない。
意識したくないのに、してしまう。
だってほくが目の前にいるんだから。
『松村さんと佐倉さん、なに仲良くコソコソ言ってるんですか!?』
藤田くんは視力も聴力もいいみたいだ。
すぐに気付かれ、声をかけられてしまったが、みんなにも聞こえる声のボリュームだったため、一気にみんなの視線を集める。
現役アイドルに近づくリーダー。
ただでさえ、女性社員の恨みを買う立ち位置なのに、チーム内でも嫌われ、仕事に支障をきたすことがありうるかもしれない。
どうしようと一人で悩んでいると
『ごめんなさい!!実は、
ずっと佐倉さんの隣にいた彼、カッコイイですね!
なんて聞いてたんです。
ちょっと直接言うのが恥ずかしかったもので。』
気づけば、ほくが機転をきかせてくれていた。
そうなんですか?
と藤田くんが私ににやけながら確認してきて、
それに慌てて私はうんうんと頷いた。
すると、ほかのメンバー達も
確かに藤田くんイケメンだよねー
と話題は変わり、私は追及を逃れた。
はあ、と安堵したため息が出れば隣でサムズアップをするほく。
意外とあっけらかんとしているほくに呆れながらも、上手く誤魔化してくれたことに感謝をした。
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もっちもちさくら(プロフ) - 優希さん» コメントありがとうございます!模索していた作品ですが楽しんでいただけて幸せです😭まだ色々と書きたいこともあるので、是非とも番外編を楽しみにしていただければと思います!! (2022年7月21日 17時) (レス) id: 4baa1664b1 (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 完結おめでとうございます!好きな作品だったので終わってしまうのが凄く寂しいです😢また番外編等でお会いできたら嬉しいです🥺 (2022年7月21日 17時) (レス) @page50 id: e49244e76b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もっちもちさくら | 作成日時:2021年10月9日 11時