幼馴染なんて言えないよ

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彼はアイドル。

まあいうなれば疑似恋愛的なコンテンツでもある訳で。


今、売り出し中のアイドルが幼馴染とは言えども、
異性と2人で飲んで、
一緒にタクシー乗って、
家まで送り届けて。


…私達の一部始終を誰かに見られていたらと考えると私の軽率な行動が彼を苦しめたのかもしれない。

彼にとってリスクがある行動を取らせてしまった私に責任がある。


「いや、私が無理やり家に入れて、過去の重い話しちゃったからだよね。私が悪かった。」



『その事なんだけどさ、、、』


と新たな話を切り出すほく。


『……さくのことなんにも知らなくて。

まあ、20年近く会ってなかったわけだから、お互い知らないこと沢山あると思う。』


「うん。」


『だけど、さくは1人で抱えすぎだよ。

もっと他人を頼っていいんだよ。


……俺はさくの味方だから。ずっと。』


なんで。

私は離れなきゃと思っていたのに、
彼はその距離を詰めようとしている。

彼のお荷物になりかねない私を繋ぎ止めようとしてる。


「……こんな私でも仲良くしてくれるの？
昨日酔って迷惑かけた人だよ？」

『そんなで嫌いになったりしないよ。

確かに気をつけろとは言ったけど、嫌いになったなんて言ってないじゃん。

辛いことがあったら、1人で抱え込まないでお酒の力使ってでもいいから、俺にぶつけなよ。』


「え？？？」


『……ちゃんと、さくのこと守るから、さ？』


すっかりさっきも
酔い方が悪いから気をつけろ、やばいぞ
なんて本人に言ってくるぐらいだから、次なんてものはないって勝手に思ってた。

それなのに、お酒の力使ってぶつかってきてもいいなんて。


彼はちゃんと大人で、一方私は自分のことしか考えられない子ども。

精神的な年齢もほくに置いていかれてることに気づいた。

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