心揺らぐ選択 ページ9
めっちゃ必死なAとキラキラの目でご機嫌なイフリート
視点を切り替えながら状況を確認したウツはちょっぴり呆れた顔でため息を着くとゾムに振り返り「なんて言うたん？」と聞けば、
「ん？明日僕の大事な人が“遊び”に来るからな、て」
「…もしかして、」
「多分想像通りや、コレ」
イフリートは決してAに敵対している訳ではない。寧ろその逆で自分と遊んでくれていると思い追いかけているのだ。その証拠に口角は上がってるし尻尾も元気に振っている
そして、Aちゃんはその事を知らないから逃げている
「誰がAちゃんにイフリートの事言うたか？」
しーん
「ククwゾム早くイフリート止めてやるといい」
「おん！」
笑いを抑えきれていないグルッペンの言葉にその場から掻き消える様に走り出したゾム。遠くでAの驚きの悲鳴が聞こえた気がした
少ししてゾムに抱えられて戻ってきたAの後ろにはイフリートが行儀よく座っている
「お疲れ様w」
「ちょ、と…覚悟、しまし…たッ」
「てかよぉイフリートから逃げ切ったなw」
「イフリートに追いつけるんはゾム位やからな」
「Aさん水どうぞ」
エーミール先輩の差し出すコップを受け取り渇いた喉を潤すと少し呼吸が落ち着いて来たので、額の汗を拭いながら後ろを振り向けばピンッと耳を立てて此方をみている白い狼…基、イフリート君
最初の邂逅から全力ダッシュで振り返る余裕も無いまま走っていたAはその全容を良く見てみた
「ラグナ・ウォルフとは違うんだね」
「ん〜…よおわからんけど此処に来た時からずっと居るで」
な？と首元を撫でながら問うゾム君に返事をする様に吠えるイフリート君がじーっと此方を見てくるが私は何かしてしまったのだろうか(震)そんなAの様子を察して、
「イフリートも物足りないようだし遊んで来い」
「Aちゃんワンピースでよお走ったなぁw」
「汗かいてるしシャワーでも浴びるか？」
「え、」
コネシマ君のシャワー発言に少し心が揺らいだが着替えも無いので丁重にお断りしたAだが、まさかの「俺の着替え貸すで」という予想を上回る返答にどう断ればいいか悩んであうあう言っていると間に入って助けてくれたのはショッピ君
「これだからクソ先輩は…」
「なんやとショッピ君どういう事やねんッ！！」
「そういう事ッス」
心底呆れた顔で溜息を吐く後輩に噛み付くコネシマ君の注意が逸れた事に感謝して忍び足でグルッペン先輩達の傍に向かう
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作者名：零
| 作成日時：2022年7月22日 22時
