【wrwrd】スキル遣いの学園日記 vol.5 (ページ8)

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下手するとホラー案件ページ8

2つのアクセサリー(と言っても鉱石に魔力が宿っているので魔装具と言ってもいいレベル)を手の上に乗せて皆に見せびらかしているのを微笑ましく見ている時ちょっとトイレに行きたくなったので、

「チーノ君御手洗借りてもいい？」
「おん、扉を出て右の廊下の突き当たりを左に曲がったところにあるで」
「初めてやし案内するか？」
「ロボロ君ありがとう。でも大丈夫そうだし1人で行ってくるよ」
「日も高いから変なのは来んけど気ぃつけてな」

教えてくれたチーノ君と心配してくれたロボロ君に軽く手を振って扉に手をかけ早速右に曲がり突き当たりまで歩く
廊下には大きな窓が着いて居たので外の様子が良く見えて思わず脇見状態で真っ直ぐ進むと突き当たりまであっという間

「確か左…あ、これかな？」

曲がった先10mもしない所にある扉を一応ノックしてから開けばこんなに広い意味とは…？と思うくらいの間取りにトイレと手洗い場が付いていた
一体誰が設計したんだろう？なんて内心思いながら用を済ませ手を洗って外に出た

その時、

「…ん？え゛ッ？！」
ウォンッ！！

元の部屋に戻ろうとして足を其方に向けた瞬間に視線を感じて振り返った視界に映った真っ白な狼。それもただの狼じゃない

「デカッ待ってッ？！なんでコッチ来るのッ？！」

遠近法で小さく見えていた狼が全力疾走しているのか近づく程に大きくなる体躯にAは【千里疾走(馬)EX】を発動して死にものぐるいで走った。加速する足を止めずにさっきの部屋の扉を通り越し追いかけてくる獣の息遣いを背にめちゃくちゃ叫びながら走った

「ちょっ！！ゾム君ットントン先輩！！ヘルプぅううううう！！」
「「！！」」
「なんやなんや魔物が紛れ込んだか？」
「？…いや、アレ」

Aの救援要請に扉から飛び出してきた彼等は廊下の端にチラリと見えた後ろ姿に声を揃えて「あ、」と零した
風に靡く白い尾は間違う事が無い

「イフリートやん」
「あれ？イフリートに来客の旨伝えましたよね？」
「ゾムが言ってるの見たよ」
「ゾム？」

視線を集めたゾムは腕を組んで首を傾げると

「ちゃんと内緒で借りた()タオルの匂いも覚えさしたから襲うなんて有り得んのやけど…」
「…ゾム、Aに言わんかったん？」
「ちゃんと返すて」
「(ほんまかいな…)」

色々問題があった気がするがとりあえず置いていて、ウツが要塞内のネズミの視界を見れば未だに追いかけっこしているようだ。てか、

「…イフリートめっちゃ尻尾降っとるわ」