覗く下心 ページ7
縮まった距離に色々良く見える
ぷくりと血色の良い唇、瞼を縁取る睫毛、白くて触り心地の良さそうな掌、そして美味そうな首筋
…ゴクリ
「だからコレが…ってゾム君？固まってるけど早過ぎた？」
「いッ…イヤ！？ソンナコトナイデッ！！」
「？ならいいけど」
あっぶなッ…！！マジで舌舐りしそうになったッ！！
視線が大分蛇行しているゾムを見て不思議そうにしながらも散策しなかったAにホッ…と胸を撫で下ろし眼下の文字を追う。今は折角Aが教えてくれとんのやからコッチに集中せなアカンな、うん(決して煩悩から目を逸らす為ではない)←
それから暫くしてから戻ってきたシッマも加えて3時間程課題に取り組み全員がそれなりに進んだので今日はもう勉強はやめる事になった
「あ゛〜…づがれ゛だぁ」
「ウツ君もお疲れ様」
「んふ♡ありがとうなぁ」
「大先生きっしょ」
「SAN値チェックやわ」
なんてじゃれあっている同級生達を横目に肩を回してから工具箱を取り出し必要な道具を出しておく。さっき預かった鉱石とチェーンと加工用の銀パーツ等など、
あ、そういえば！
「グルッペン先輩」
「ん？どうした？」
「競技会のご褒美ってどうなったんですか？」
「そういえば忘れとったわ」
「たしか特性の魔法具オーダーしたんやっけ？」
「たしかそうのはず」
突然浮上した疑問に振り向きざまに先輩に問えば他のメンバーも思い出したのかそういえば…と視線を先輩に向ける。その視線を受けて得意気に笑ったグルッペン先輩は
「夏休み明けには届く予定だゾ」
「試作品見たけどなかなか良かっためぅ」
「楽しみにしててね」
「えぇ〜俺達仲間外れやん」
「コレばっかりはしゃーなしやな」
心做しかしょんぼりする後輩予定組に合宿ではお世話になったし職人さんみたいなのは出来ないけど何か作れないかと考え始めたAであった。そんなこんなで休憩も終わり、
「ココを、こう…やんな？」
「そうそう！いい感じ！！」
「シャオちゃんセンスええなぁ」
「大先生のは相変わらず不細工やな」
「こういうもんやのッ！！」
そんな茶番もありつつ真剣な表情で作業を進めるシャオロン君を手伝いながら作り続ける事1時間。最後の留め具の調整も終わり…
「で、出来た！！」
「流石シャオロン君！！凄い綺麗」
「はぇ〜…よお作ったな」
作業台の上に並ぶ大きさとデザインの違う2つの装飾品
シャオロンの夏休みの自由工作の完成。皆に自慢しながら満足気に笑う彼の笑顔が輝く
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作者名：零
| 作成日時：2022年7月22日 22時
