【wrwrd】スキル遣いの学園日記 vol.5 (ページ6)

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太陽が落とした結晶ページ6

食後の片付けは任せて欲しいと部屋を出ていったチーノ君とショッピ君を見送りエーミール先輩が淹れてくれた紅茶を飲んでいると

「なぁなぁ！！」
「！シャオロン君どうしたの？」
「俺な、この魔石使いたいんやけど」
「わぁ！サンベリル？珍しい」
「オリエンテーションの時に採掘した時に見つけたんよ」

彼の掌に3つ程転がっているのは太陽の雫と称される鉱石
古代語で『太陽』という意味から名付けられたとされたベリルには沢山の種類があり黄色～黄褐色に光るものをサンベリルというのだ

「この大きさならネックレスにするか、少し加工してブレスレットとかアンクレットとかも出来るかな」
「そしたらブレスレットとアンクレット作りたい！」
「了解。もうちょっと課題進めてからやろっか」
「おん！」

元気よく返事をする彼の頭にケモ耳が見えるのは目の疲れから来る幻覚なのだろうか…？気にしたら負けか
鉱石を預かり工具箱にしまうと自分の課題をさっさと終わらせる為にペンを握る。授業中にとったノートを使いながらサクサク進めるAを少し前から見ていたゾムは

「む～…」
「クスクスw」
「…エミさんなんやねん」
「いえ、微笑ましいなと思いまして」
「…」

聞こえた笑い声にジロリと視線を向けると穏やかな笑みを浮かべる教授の姿。普段より低い声で問うが怯むこと無く答えた彼の言葉にじわりと頬に熱が集まり逃げる様に視線を逸らした。なんや悔しいから後で悪戯()仕掛けよ

ゾムがそう決心して手元の終わりかけの課題をさっさと解いて魔法薬理の課題を取り出す。ゾムはなんだかんだ真面目だし、コレを溜め込むと遊べない(重要)というのをちゃんと理解しているので手が空いた時に少しずつ進めていた貯蓄もありこのままいけば余裕で終わる、はず。多分…

じわりと浮き出る不安に頭を悩ませていると、

「ん、終わり」
「！終わったん？」
「最初にやったのが効いたみたい」
「…A、」

課題とノートを纏めて鞄にしまう彼女に少し上目遣い気味にしながら魔法薬理の課題を見せて強請る。すると、

「(あざと)手伝うよ」
「(よっしゃ！)ありがとう！」

今更だがAは“可愛い”モノに弱いというか甘い
これは今まで過ごしてきてほぼ確定となった事実

「この辺までは期末と同じ範囲だから出来てるね」
「おん。でもその後がわからん」
「確か教科書のこの辺で、あった！コレコレ」

開いた教科書を寄せてくれる彼女がピッタリくっついてくる。その温もりに頬が緩んだ