未熟な心に猶予を ページ42
暫くして目を覚ましたAは状況を確認した後、自分の胸元にある黒い指輪に顔の熱を再び点火させた
だだだだだだってッ…こ、告白とか、ましてやきゅ、求婚なんて初めてだし/////
そんなAに歩み寄ったのはエーミール
｢Aさん｣
｢！、エーミール先輩｣
｢びっくりしたと思うんですけど、ゆっくり考えてあげて欲しいんです｣
｢…///｣
｢ゾムさん普段は自分で来ることの無い資料室で必死に探してペレドットの産出場所や漆銀の合成方法なんかも調べて造ったんです｣
それだけ真剣に考え、真心を込めて造ったモノ
少し性急かな？とは思わないでもないですけど…
｢ね？｣
｢は、はい…///｣
｢ありがとうございます。さ、紅茶を淹れますね｣
そう言って満足気に離れていく先輩を見送り深呼吸を1つ。確かに最近というか仲良くなってから距離感近いな、と思った事はあったがまさかこんな私を好きになる人なんているとは…ふぅ。よしッ！！
｢ゾム君｣
｢！ッA…｣
｢プレゼント嬉しかったよ。でもまだ自分の気持ちがハッキリしないのに返事するのは失礼だと思うから少しだけ待って貰ってもいい？｣
｢お、おん！幾らでも待つでッ｣
私の言葉に駆け寄ってくると両手を握って何度も頷く彼に安堵とほんの少しだけ申し訳なさを感じながらお礼を言って一緒に椅子に座ると丁度よく運ばれてくる香りのいい紅茶
立ち上る湯気をひと吹きしてから口に運べば頬が自然と緩んだ
｢ククwさあ、今日の会議はこれで終わりだゾ｣
｢落ち着いたら暗くなる前に帰ろか｣
先輩方の声に全員が緩く返事を返すと空いたカップを片付けてから全員で帰り支度を始めた。夏から秋に変わり始めた澄み切った茜色の空を見上げて空へと駆け上がり大きく手を振ってからAは我が家へと走り始めた
その頃彼女を見送っていた彼等は、
｢…それにしてもやってくれたなゾムぅ｣
｢んふw早い者勝ちやろ？｣
｢…｣
｢コネさん？｣
｢なんもないわ。帰るで｣
｢(ピンッ)ははぁ〜ん、シッマヤキモチかいなw｣
｢あ゛？｣
コネシマの完全に輩が入ったドスの効いた声に飛び上がったウツが我先にと逃げていくのを追いかけるように帰路を走る彼等を後ろから肩を竦めながら見ていたグルッペン達もゆったりとした足取りでウォーモンガへと帰っていった
次の日の朝、いつも通りの時間にAが空を走っていると何やら校門の辺りに人溜まりが、
｢ん？｣
｢！居たぞッウォーカーだ！！｣
｢はいッ！？｣
私ですかぁ！？
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作者名：零
| 作成日時：2022年7月22日 22時
