【wrwrd】スキル遣いの学園日記 vol.5 (ページ34)

今日:24 hit、昨日:1 hit、合計:18,033 hit

【記憶】流れる過去ページ34

アレからAは更に高熱を出して3日目覚める事無く眠り続けた。その時、夢をみた

｢いつか皆で外の人達も認める術者になろう｣
｢うん！｣

懐かしい顔ぶれだ。あの事件があってから私はアビスの中心地に行く事は無くなったから会う事も無いのは当たり前なのだが昔はもう少し家が中心地にあったから良く遊びに来てくれたね、

｢A...私、人形遣いだった｣
｢ミーアの家族皆そうだもんね｣
｢…だからね｣

1人の友人から伸ばされた手が首元を容赦なく締め付け気管が潰される。何が起きているかなんて理解出来なくてただ苦しくて、怖くて、そして誰も助けてくれない事が悲しかった。そんな私を見て嗤う彼等は

｢ずっと目をつけていたわ。アンタを利用する為にねッ｣
｢俺達はこんな所で終わらねぇッ｣
｢いい子ぶりやがって偽善者かよ、くだらねぇ｣
｢あ゛...ッ...ぐッ...｣

あぁ、彼等にとって私は友達なんて存在では無かったようだ。それでも馬鹿な私は彼女に縋ってしまうのだ、あの日の約束を嘘にしたくなくて

伸ばした手は冷たい瞳でにべもなく払われた

それからの記憶は曖昧で、何もかもが終わるまでの記憶をほぼ喪っていた。気がついた時に初めて見えたのは白い天井。そして傍らに座り私の手を握りながらベッドに顔を伏せた母さんの姿
私の目が覚めたのに気づいた母さんがボロボロと涙を零しながら抱き締め｢良かったぁ...ッAッ｣と嗚咽交じりに叫ぶ姿が今でも脳裏に焼き付いている

駆けつけた治療師に事の全てを聞いた
ミーア達が私に洗脳をかけて魔法堂に保管されている古代禁術書を奪おうとしていたと

｢...恐らく君の魔法を利用して禁術書の呪いを解こうとしたのだろう｣
｢...｣

馬鹿な子達、私のスキルによる呪いの解除は封印等には適応されないのに...と内心呟きながら裏切られた事への喪失感に心が凍えてしまいそうになる。この呪われし奈落の街に産まれた数少ない友達、だった筈なのに...ッ
こんな場所で産まれなければこんな事無かった筈なのにッ

それから父さんの口利きで即日引越しとなり彼等とは二度と顔を合わせる事なく過ごした。実は母さんは元々王都に住んでいたのだが父さんが外部調査の為に出立した時に偶然出会い一目惚れ。猛アプローチの末に母さんの家族の猛反対を振り切り此処で暮らして居るらしく教養のある母さんに知識を、実技を父さんに見てもらった結果

王都の学園へと進む事に決めたのだ