【wrwrd】スキル遣いの学園日記 vol.5 (ページ33)

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【回想】宣戦布告ページ33

グルッペンは閉じていた瞼をゆっくりと開いた
脳裏に浮かんでいた子供の面影を残す大切な仲間達が見える

「？グルさんどないした」
「いや、少し出逢った時を思い返していただけだ」
「...結局全員集めた後もウォーモンガで死にものぐるいで生きてきたからね」
「俺らよぉ生きとっためぅ」
「本当に」

あの後、距離的にコネシマの出身国跡地の方が近かったのでそっちから向かうと何故かギルドから派遣された武装集団が跡地に蔓延っており人当たりのいい諜報が得意なエーミールが事情を聞くとどうやらコネシマの首に生死問わず多額の懸賞金がかけられているとの事。それと同時に

「塔を護る様に紫苑の瞳を持つ子供が立ち塞がっているのだとか」
「！？ショッピ君やッ」

駆けつけた先にはまるで手負いの獣の様に血塗れた斧を両手に携え血走った目で武装集団の頭部をかち割る姿。何度被弾しようとも決して悲鳴をあげずに立ち向かっていく姿にコネシマが声をあげればピタリ、と動きを止め視線を此方に向けた。その顔は何処か迷子の幼子の様であった
ぐらりと体勢を崩しその場に伏せるショッピに駆け寄るコネシマの姿をみた連中が武器を向けるが

「死んで」
「あ、ｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞッ！！」

黒檀を真紅に染めたひとらんの刀の錆となった
その後、治療したショッピをコネシマが背負いトントンの故郷の村に辿り着いた時にはチーノは居なかった。脅す様に聞けば村への獣避けとして棄てられたと知った時のトントンの荒れ方は凄まじいものだった。その時に己の氷雪系の魔力が開花したと言っても過言ではない
聞き出した情報を元にその場所に向かうと大型の魔物相手に血塗れになりながら必死に抵抗するチーノの姿

「ッ...とん、」
「チーノッ！！」

トントンの氷雪とグルッペンの闇魔法で何とか退けた魔物に一同が安堵するなか周囲の雪を血で染めた足に枷を付けられたチーノを解き放ち抱き抱えるとその場を立ち去った一同

怪我の状態もあり、ゾムとロボロの隠密組が病院から薬を奪ったりもあったが無事に快方へと向かう2人にコネシマとトントンは心底安心した様子で座り込んでいた

そんな事もあり全員集まりウォーモンガへと辿り着いたは良いが何せ此処は法も秩序もない無法地帯。力無きものは淘汰されるのが当たり前のあの地で何度理不尽な暴力で喪いかけたか。故にグルッペン達は身内に対しての暴力に容赦はしない

「さぁ諸君」

戦争を始めよう、この世界と！！