【wrwrd】スキル遣いの学園日記 vol.5 (ページ26)

今日:25 hit、昨日:1 hit、合計:18,034 hit

ストーカー予備軍ページ26

結論から言うとサポ検、ギル検ともに全員受かった
ただ…、

「…また居る、」
「ほっとき。アレや、ススワタリとでも思っとったらええわ」
「、それ逆に気にならない？」

Aとゾムが実技授業から戻る道に立つ人影にうんざりとしながらAが溜息を着くと隣のゾムも鬱陶しげに眉を顰めた。無事検定に合格してからまだ1週間も経って居ないのに遭遇回数は2桁を優に超すその人物は

「…なんやまた来とんのか？」
「兄さんアレどうにかしてや」
「学校では先生付けろや。まぁ、“まだ”実害出とらんからコッチから手を出すと面倒いんや」

先程の授業担任の兄さんが後ろから歩いて来るなり目を細めてその姿を眺める渦中の人物は王都騎士団、防衛省教育筆頭バルク・サバット少将。先日のサポ検の実行委員役員として出席していたバルクはAの能力を高く買い、合格通知が渡された直後

「是非とも我が王都騎士団へと入団して頂きたい」
「はぇ？」

その時は合格の喜びと突然の言葉に脳がパンクして固まりひとまず流れたが、週明けの学校で昼休みに職員室に呼ばれたと思ったらまさかのその人物の襲来。まだ学校で学びたい事がある、と断っても授業の合間や休み時間に現れ勧誘を繰り返すバルク少将にAは日に日に疲弊していた
その事をすぐ傍にいるゾムが気づかない訳もなく現段階で1番〇したいランキングにノミネートされたのは3日前の事

「私騎士って柄でも無いし、最近色々あったから…」
「あぁ…槍(意味深)サーな」
「そっちもまだ声掛けてくるし、」
「顔色も良くないしペ神の所で休んでもええで？次の教師には俺が口添えしとくわ、」

そう言って兄さん先生は軽く頭を撫でるとゾム君に「連れてってやり」と声をかけてから目の前にいる悩みの種の注意を逸らす為かそちらへと歩いて行った
その隙にゾム君がインビジブルを発動させて移動してくれたおかげで無事に救護室へと辿りついたA

「？ゾムとAちゃん、どないしたん？」
「Aが具合悪いんや、ここなら安心やし…」
「あぁ～アレか、ホンマ執拗い男は嫌われるんにね、」

掘ってやろうか…とボソッと呟くペ神にぞわりとゾムの背筋が粟立つがとりあえずAを奥のベッドに連れていき寝かせる

「放課後鞄持ってくるな」
「ごめんねゾム君」
「悪いんわアイツやん。ゆっくり休んでや」

そう行って教室へと戻っていく彼を見送り布団に潜ればあっという間に意識は闇へと落ちていった