証 ページ16
一人一人呼ばれグルッペン先輩から直接受け取っていく
オスマン先輩には髪飾り、ひとらん先輩には襟に付ける勲章、エーミール先輩にはラペルピン
それぞれのモチーフなどのチャームと共に『W』の文字を象ったアイテムが付いたソレを全員が貰って直ぐに装備する
それはまるで違和感なく、彼らの為に創られた最高の装飾
3年生が終わり視線は此方に向いた
「ウツ」
「ありがとうなぁ」
深い青の魔石が付いたタイピンを手渡され嬉しそうに付けた彼に続いてコネシマ君のブレスレット、シャオロン君のアンクレット、ロボロ君のイヤーカフ、ゾム君のチョーカー
そして、
「A」
「はい！」
「競技会を含めよくやったゾ」
その言葉と共に渡された最後の魔装具のネックレスを差し出され掌に乗せられる。シルバーの細めのチェーンにウツ君とコネシマ君の中間位の蒼みがかった魔石がはめられた小さな花を象ったチャームに感激し、皆もう着けているようなので着けようとすると
「着けてやろう」
「え、？グルッペン先輩、」
再び彼の手に戻ったソレを背後から首にかけると戸惑う私に構う事無く留め具を止めてくれる。首元に揺れるネックレスに触れながら礼を言うと満足気に「よく似合っているゾ」と笑う先輩は眩しかった(概念)
「…グルさん」
「なんだトン氏？お前がやりたかったか？」
「…」
「グルッペン僕がやりたかった」
「クハハw特権と言うやつだ」
「ソレにしてもホンマよお似合っとるで」
グルッペン達が小さく揉めている間にAに歩み寄ったウツはその首元を覗きながら言えば「ありがとう」と仄かに頬を染めた彼女に更に笑みを深めた。その後ろから顔を出したシャオロンはウツの膝裏に強めの膝カックンを食らわせ転ばせると押しのける
「い゛だｧッ！？」
「花のチャーム可愛ええな」
「シャオロン君の太陽のチャームも可愛いよ」
「せやろ？」
制服の間からチラリと覗くゴールドチェーンと太陽を自慢げに笑う彼と笑っていると向こうのプチゲバも終わったようで
「さ、今日は明日からの通常授業に備えて早めに帰るで」
「大先生俺ら明日なんやっけ？」
「相棒。僕が把握しとるとでも？」ｷﾘｯ
「威張んなやw」
各々時間割を確認しながら帰り支度を始めたのでAも鞄を背負うと彼らと一緒に建物を出て
「それじゃあまた明日！」
「気ぃつけてな！」
「はい！」
手を振りながらブーツを起動させて空へと駆け上がる
真下の彼等にもう一度大きく手を振り走り出した
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作者名：零
| 作成日時：2022年7月22日 22時
