【wrwrd】スキル遣いの学園日記 vol.5 (ページ14)

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謎の箱ページ14

慌てて前髪を治すゾム君を茶化しながら駆け寄って来た彼等も変わりないようで安心しながら挨拶を返せばゾム君と私の机を囲んでお邪魔した日からの出来事を話し始めたので耳を傾ける

「最近イフリートが入口の傍に座って誰か待ってんのや」
「よっぽど追いかけっこ楽しかったんやなw」
「…アレ結構大変なんだよ？」
「分かるでAちゃん。僕もやられた事あるから」
「アレは大先生が課題終わらんと逃げたからやろ？」
「ええぞwもっと尖れやwww」

そんな感じで話していると段々と集まり始めたクラスメイト達。あんなにしん、としていた教室が賑やかになる頃にはSHR5分前となっていた
慌てて自分の教室へと駆けていく皆をゾム君と見送り机に着いて暫くすると担任の先生がひょっこりと扉から顔を出した
彼の指示の元入学式をしたホールに向かい絶妙な長さの理事長の話を聞いてから教室に戻ってきた

「二学期に入ると様々な資格の取得も可能となってくる。自分の進路の事を考え必要な資格、技能、知識を取り漏らさないように気をつける様に」

そう言って配られた資料には様々な講習や資格、体験教室などの一覧が並びとりあえず流し読みしていると今日の日程を説明し始めたので意識をそちらに向ける。どうやら今日は二学期のカリキュラムの説明を行い、課題を提出していた午前中で終わりのようだ

話を聞きながら気になった事や、興味がある資格にチェックを付けていく。最後まで説明を聞き終わった頃には資料に沢山の付箋が着いたのを見て「手当り次第つけ過ぎたw」と内心笑いながら資料を片付け課題を纏めて鞄から出す

席順に課題と工作を担任の先生に提出し、提出し終わった順に帰って良い様なので先生に渡せば

「この箱の中身は？」
「魔法糸で術式を入れた魔法衣です」
「ほお…、少し見ても？」
「はい」

先生の言葉に迷いなく頷けば箱に手をかけゆっくりと開封したそこには

「…素晴らしい」
「ありがとうございます」
「全体が見れないのは残念だが後で見せて貰おう」
「お願い致します」

先生の反応に思わずグッと手を握り小さくガッツポーズをしてから机に戻るとゾム君が入れ替わりで提出していた

「！！…こ、これは」
「先生、内緒やで？」
「そ、そうか……頑張れよ」
「おん！！」
「(一体何を作ったんだろう？)」

小さな箱はチラリと見えたが中を見た先生の反応からして凄い物だったんだろうな、なんて思いながら機嫌良さげに戻ってきた彼はピースしながら席についた