お迎え ページ2
ナンパの姿が見えなくなるとくるりと振り返った2人は
「Aも気ぃ抜いとったらアカンで！」
「あぁ言うんは無視したらええで」
「は、はい」
気の抜けたAの返事に納得しなかったのかぷくりと頬を膨らませるロボロ君に慌てて「気をつけるよ」と言うと満足したのか大きく頷き下に置いてあった工具などの荷物を持って先導する様に歩き出した
「重いから持つよ」と追いかけるが、
「ワシが運びたいんや」
「ロボロの筋トレの一環やと思ってやってや」
「え、じゃあ...お願いね」
「おん」
工具を軽々と持って歩く彼に自分の腕を見て「もう少し筋トレ頑張ろうかな、」と呟いたAの手を取ったオスマン
「女の子なんやから程々でええんよ♡」
「そ、そうですかね？」
「めう！」
「はよ行くでぇ」
先を歩くロボロ君が振り返りながら待っているので歩き出せばオスマン先輩も握った手をそのままに一緒に歩き出した
完全に離すタイミングを見逃した手をチラリと見た後に隣の先輩を見ればご機嫌のご様子
...そのままでもいいか
決して面倒くさくなったとかではないが手を繋いだまま歩く事15分程路地裏を進むと1軒の小さな家
ウォーモンガは首都と隣接しているのでそこまで歩いて行くのかと思っていたAは足を止めたロボロに視線を向けた
「ココの扉に兄さんがワープの術式刻んでくれとるんよ」
「はぇ〜、凄」
「めちゃくちゃ通学楽なんよ」
そう言ってドアノブに手をかけたオスマン先輩の後ろについていき、開けた扉の向こうを覗き込むとそこは、
「ようこそウォーモンガへ」
「ココは何人も受け入れ、縛るモノも制限するモノもない」
「秩序から捨てられたならず者達の楽園」
「それがこの街やで」
「ココが、」
扉の向こうは首都と同じ様に路地裏に続いていた
昼間なのに薄暗いソコに足をつけ周りを見て気がついたのは
「...地下？」
「そ、此処はウォーモンガの闇市の一角や」
闇市。ソコに法も秩序もありはしない
そんな闇市には多種多様な商品が並んでいると聞いた事が
「ま、闇市なんて首都の連中が付けた名前やけどな」
「ええ奴らばっかやで。ちょっとオタク気質やけど」
「そうなんだ」
世の中にはまだまだ知らない事が多いな、なんて思いながらロボロ君の背中を追うと、さっきの扉近くにある階段を上がった先に
「！わぁッ...」
「此処がウチやで」
「トントンが仕切っとる奴らが張り切り過ぎて要塞みたいになってもうてるけど気にせんでなw」
凄すぎ、
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作者名：零
| 作成日時：2022年7月22日 22時
