【wrwrd】スキル遣いの学園日記 vol.5 (ページ1)

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夏休みはまだまだこれからページ1

家に辿り着く前に車の中で寝てしまったAが次に目を開けたのは次の日の正午頃。寝過ぎた事による腹部からの空腹の報せを聞きながらぼんやりとした思考のままリビングに降りれば母さんがキッチンで何かを煮込んでいた

「！おはようA」
「おはよ...」
「父さん朝からAの好きなダッシュマグロ釣りに行くんだッ！！て出ていったからそろそろ帰って来るわよ」

それまでにシャワー入って着替えて来てね、とふわりと笑う母さんにこくりと頷いてお風呂へと向かいゆっくりとしていると「大物が釣れたぞぉ！！」と父さんの声とドンガラガッシャンと聞こえる騒音にそろそろ出るかぁ...と立ち上がりかけたが

「...エレン、コレは誰が片付けるの？」圧
「ぴえ...」
「...もう少しゆっくりしとくか」

なんて事もあったがのぼせる前に出るとリビングを必死に片付ける父さんと庭で身の丈程の鋭く光る包丁を片手に3m級のマグロを捌く母さんがいたのであった
結局その日はご馳走を食べてゆっくりと合宿の出来事を話しながら家族の時間を満喫したA

そういえば、

「友達と課題一緒にやる事になってるんだけど」
「まぁ素敵ね！！手土産用意しなくちゃ！」
「あと魔法具の工具借りてもいい？」
「勿論！」

と母さんは私が友達を作った事が嬉しいのか花が咲く様に微笑みながら喜んでくれた。父さんは色々あった事(とその友達が男である事)が心配なのかアビス特産の黒曜石仕込み武器を渡して来るが丁重にお断りする
約束の日は明後日なのでそれまでに進められる分まで終わらせておこうと部屋に戻ったAの背中を見た両親は娘の成長を幸せそうに見守るのであった

あっという間に時は流れ当日の朝、少し荷物が多くなってしまったAは父さんに待ち合わせ場所の首都まで送って貰い噴水の傍で待っていると

「ねえねえ」
「！...え、と、どちら様ですか？」
「お、当たりじゃね？」
「お姉さん暇？お茶しに行かない？」
「お、お茶？」

声をかけられ顔をあげた先にいたのは見た事が無い男性2人
ぐいぐいと距離を詰める彼等に引き気味に対応するAが断ろうとした直後、

「だっさ」
「！な、なんだテメェッ！！」
「聞こえんかったんかクソ雑魚がよぉ」
「ロボロ本当の事言うたら可哀想やろ？」
「恥かく前にワシが懇切丁寧に教えてやっとるんや」
「ロボロ君、オスマン先輩」

背後から間に入る様に前に出た彼等の表情は見えないが先程の男性達は彼等を見て血相を変えて逃げて行った