*36 ページ36
「丸山さん…」
「Aちゃん、久しぶり…やね」
「久しぶり…ですね」
別に何があったという理由でもないのに、何故かぎこちない空気が流れた。
「ふふ、隣座ってもいい?」
「もちろん!」
丸山さんが、よいしょと椅子に座り、私の肩に丸山さんの肩が少し当たり、丸山さんの香水が仄かに香る。
「離れたとこ座るから逃げられてんのかと思ったやないですか〜」
「そんなことないですよ!」
「ほんま?それやったらええけど」
「最近会わんかったね」
「顔出さなかったのは丸山さんですよ?」
そう言って笑うと、丸山さんもそっか!ごめんごめん〜って眉を八の字にして笑ってくれる。
「また綺麗なったんちゃう〜?」
「何も変わってないですから」
「まあ、もともと綺麗やもんな」
「ちょっと、相変わらず口説き癖強いですね」
丸山さんの肩を軽く叩き、丸山さんにも「またそんなこと言って〜」って肩を軽く叩かれまたクスクス笑い合う。
こういう時間が純粋に楽しいと思えたし幸せなんだ。
「ねえ、Aちゃんさ」
丸山さんの声に顔を上げる。
「なんですか?」
「もし良かったら、そろそろ2人で美味しいご飯食べに行きませんか?」
大人の雰囲気を繕った声を私に落とした。
突然の、しかも思いもよらない言葉で思わず丸山さんを見つめてしまう。
「…いや、ごめん。別に変な意味ちゃうねんで。ただ寧々ちゃんとご飯食べたいなっていう…」
丸山さんは黙った私から目こそ逸らさないが、少し困ったような顔をして下唇を噛み口を開く。
丸山さんにそんな顔をさせてしまったことを申し訳なく思いながら、思わず私は店内を見回し無意識に目だけでヤスダを探す。
さっき大倉さんに聞いた通り、まだアイツは店にいない。
今の私には、今日この場にヤスダがいないということが何かの合図に思えてしまうんだ。
これが「正解」に思えてしまうんだ。
540人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わい - はじめまして(*^^*)楽しく読ませてもらいました!続きが気になります!更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2017年7月10日 1時) (レス) id: 397f5c791b (このIDを非表示/違反報告)
寧々(プロフ) - とっぽっぷさん» コメントありがとうございます!そんなことを言ってもらえて本当に本当に嬉しいです!これからも頑張りますね(^^) (2017年2月25日 22時) (レス) id: 232e24a4a7 (このIDを非表示/違反報告)
とっぽっぷ - かっこいいヤスくんにどんどん飲み込まれてくのが悔しいけどドキドキ!みたいな!させてもらってます(〃п〃) 更新ふぁいとです! (2017年2月24日 8時) (レス) id: 8670bf754b (このIDを非表示/違反報告)
寧々(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます!楽しみにして下さっている様でとても嬉しいです!!これからも頑張りますね(^^) (2017年2月20日 22時) (レス) id: 232e24a4a7 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - とっても面白いです!バーテンダー、ヤスダくんかっこよすぎて毎日ときめいています 笑。これからも更新楽しみにしています!頑張って下さい! (2017年2月19日 18時) (レス) id: 005b2bfdb0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:寧々 | 作成日時:2017年2月8日 23時