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｢……そう｣
｢じゃあ俺らって何なんやろなぁ｣
｢……店員と客でしかないんじゃない？｣
私は何を言ってしまったんだろう。
｢店員と客｣の関係をいっそのこと越えてしまいたい、 と思っていたのは私だったはずなのに。
今、この言葉を発してしまった瞬間、少しずつ近づきかけていたと信じていた私たちの関係の間に
一気に高い高い壁が作り上げられてしまったのが空気で感じられた。
私はどこかでコイツに抱いている曖昧な癖に日に日に強くなっていく厄介な恋心を早く諦めてしまった方が幸せになれる、と思っていたのかもしれない。
そうだ、私にヤスダの周りにいる女の子のたちの何10分の1になれる資格なんてどこにもない。
勝手に負の連鎖を起こしてしまい、2人して黙り込んでしまった微妙な空気をかき消すかのようにヤスダが手に持っていたグラスの中のカクテルを一気に流し込んだ。
｢え？今の結構度数キツかったんじゃない？｣
｢大丈夫、俺に限って悪酔いはせえへんから｣
そう言ってまたどこを見ているのか分からない切なげな笑みを浮かべるから見ているこっちが思わず泣きそうになった。
なんでそんな顔するの？
アンタだって同じ事思っていたはずでしょ？
私もこの気持ちを紛らわせようと持ってきてくれていた淡いピンクのカクテルを一気に飲もうとしたのに、すぐにむせてしまった。
｢えええ？大丈夫？！もーそんな慌てて飲むから〜｣
カクテルが気管に入り咳き込み続ける私の背中を左手で包み込むように撫でてくれるヤスダの右の方の手を何を思ったのか思わず突然掴んでしまった。
｢A？｣
｢…ごめん｣
｢フフ、ええよ〜こっちの方が楽なんやったらこのままで｣
そう言って慌てて離そうとした私の手の上から自分の手を重ねる。
｢どうして…｣
｢ん？｣
｢どうしていつもこんなに優しくしてくれるの？｣
大事なお客さん、という簡単な理由でここまで優しくされることにはさすがの私も限界だ。
こういう時本当に私は面倒くさくて馬鹿な女だとつくづく思う。
｢う〜んなんでやろな、俺も分からへん｣
ほら、やっぱりコイツは欲しい時に欲しい言葉はくれない。
いつまでも何処までも狡い男だ。
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わい - はじめまして(*^^*)楽しく読ませてもらいました！続きが気になります！更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2017年7月10日 1時) (
レス) id: 397f5c791b (このIDを非表示/違反報告)
寧々(プロフ) - とっぽっぷさん» コメントありがとうございます！そんなことを言ってもらえて本当に本当に嬉しいです！これからも頑張りますね(^^) (2017年2月25日 22時) (レス) id: 232e24a4a7 (このIDを非表示/違反報告)
とっぽっぷ - かっこいいヤスくんにどんどん飲み込まれてくのが悔しいけどドキドキ！みたいな！させてもらってます(〃п〃) 更新ふぁいとです！ (2017年2月24日 8時) (レス) id: 8670bf754b (このIDを非表示/違反報告)
寧々(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます！楽しみにして下さっている様でとても嬉しいです！！これからも頑張りますね(^^) (2017年2月20日 22時) (レス) id: 232e24a4a7 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - とっても面白いです！バーテンダー、ヤスダくんかっこよすぎて毎日ときめいています 笑。これからも更新楽しみにしています！頑張って下さい！ (2017年2月19日 18時) (レス) id: 005b2bfdb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寧々 | 作成日時：2017年2月8日 23時
