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丸山さんがドアを開けようと取っ手に手をかけた瞬間
｢まる〜｣
気の抜けたようなあまり力の入っていないような聞き慣れた声が聞こえた。
｢章ちゃん？｣
丸山さんがドアに手をかけたまま、こちらを見ずにグラスの片付けをしていたヤスダの方を振り向く。
私も同じように振り向く。
｢ちょっと寄りたいとこあるから、その子連れていかんといて〜｣
｢え？｣
私の声でようやくこちらに向けた顔が、どこか遠くを見ているように眉を少し下げて切なげに笑っていたから私はこれ以上ドアの先に進めなくなった。
｢Aさん、どうします？｣
｢…仕方ないからもう少し残ります。…今日は楽しかったです、ありがとうございました！｣
ここまで一気に言い切って、ドアからそっと距離をとる。
一息で言い切ってしまわないと、優しすぎる丸山さんに依存してまいそうだったから。
｢ううん、こちらこそ。また会えたらいいですね｣
丸山さんが私には手を振って、ヤスダには｢Aさん、ちゃんと連れて帰るんやで〜｣と言いながらそのままドアを押して帰っていった。
｢…なんで？｣
｢俺あとちょっと片付け残ってるから適当にそこら辺座っといて｣
私の質問には答えてくれず、今日は初めて見たふにゃっとした笑顔でそれだけ言ってまたグラスを片付けに戻った。
今日はこのまま優しさだけをくれる丸山さんと一緒に帰ってしまいたかったけれど、
この展開もそんなに悪くないなと思ってしまった私は丸山さんに申し訳ないけどもうしっかりコイツに恋しているようだ。
お酒はもう十分に飲んで既に酔いが回ってきていたところに、接客に回っていた大倉さんが水を1杯入れてこっちに来てくれた。
｢Aちゃん、水飲む？｣
｢飲む！ありがとう！｣
｢いえいえ、はいどうぞ｣
大倉さんの手から水を受け取り、ゴクゴクと一気に飲み干す。
｢なぁなぁAちゃん。マルどんな感じ〜？｣
｢は？！｣
思いがけない名前が出てきて、危うく口の中に含んでいた水を吹き出しそうになった。
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わい - はじめまして(*^^*)楽しく読ませてもらいました！続きが気になります！更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2017年7月10日 1時) (
レス) id: 397f5c791b (このIDを非表示/違反報告)
寧々(プロフ) - とっぽっぷさん» コメントありがとうございます！そんなことを言ってもらえて本当に本当に嬉しいです！これからも頑張りますね(^^) (2017年2月25日 22時) (レス) id: 232e24a4a7 (このIDを非表示/違反報告)
とっぽっぷ - かっこいいヤスくんにどんどん飲み込まれてくのが悔しいけどドキドキ！みたいな！させてもらってます(〃п〃) 更新ふぁいとです！ (2017年2月24日 8時) (レス) id: 8670bf754b (このIDを非表示/違反報告)
寧々(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます！楽しみにして下さっている様でとても嬉しいです！！これからも頑張りますね(^^) (2017年2月20日 22時) (レス) id: 232e24a4a7 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - とっても面白いです！バーテンダー、ヤスダくんかっこよすぎて毎日ときめいています 笑。これからも更新楽しみにしています！頑張って下さい！ (2017年2月19日 18時) (レス) id: 005b2bfdb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寧々 | 作成日時：2017年2月8日 23時
