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｢何かついてる？｣
｢…ピアス｣
｢あぁこれ？誕生日に友達に貰ってんな〜｣
ピアスを触りながら顔を傾けただけで、ヤスダの香水がさらにキツく香る
友達は女の子？という考えが頭に浮かぶ
そりゃ友達に女の子1人ぐらい普通にいるよね
それともお客さん？
それは友達って言わないか。
そんな事をグルグル考えていると
｢こんなん彼女にもあげたことないわ、ってめっちゃ文句言われたけど｣
｢え？！男の人だったの？！｣
｢え？そうやで？そんなんお客さんから貰った物とか付けたらエラいことなんねんから｣
｢そっか…そうだよね｣
さっきの時間返せ！と勝手に思いながら、ホッとしている自分に気付きびっくりする。
いっそのことヤスダも私と同じように酔っていればいいのに。
たまに当たる左手が離れる度にこの手を掴んでしまいたい衝動に駆られるが、そんな事をしたらきっとヤスダは私から離れていく。
恋愛関係に発展していかなさそうだからこそ、私は自分に惚れなさそうだからこそ、ヤスダも安心して私と一緒にいてくれているのだろうから。
私のマンションに着き、お金を払おうとするとまた止められたが、｢今回はちゃんと払う｣と説得して自分の財布からお金を出す。
｢今日は本当にありがとうね、ご馳走さま｣
｢こちらこそ、付き合ってくれてありがとう｣
｢めっちゃ楽しかった｣
｢それは良かった…来週さ…｣
｢大丈夫。私、何も言わなくても来週行くから｣
｢ほんま？｣
｢良かったねぇ、常連客取れて｣
まんまとコイツの罠に嵌ってしまった悔しさからヤスダに軽く冗談交じりで嫌味を言うと、ヤスダはフッと笑って首を傾げた。
｢別にお客さんとして毎週来て欲しい訳ちゃうよ。
1人の女の子として毎週会いたいねんから｣
悔しいけどこれ程までに嬉しい言葉があるだろうか。
やっぱりこれが罠だったとしても私は満足だ。
今｢1人の女の子｣と言ってくれるヤスダが目の前にいればそれでいい。
頬が綻んでしまわないうちに、顔を隠して｢じゃあね｣と言うと
｢あ、そういえば名前なんていうか聞いてない｣
｢そうだっけ？…結城だけど…｣
｢こういう時は下の名前。そんなんネタやん｣
｢……A｣
｢Aちゃん。
…A！ばいばい！｣
いきなり呼び捨ては心臓に悪い。
初めて呼ばれた自分の名前に、若干の羞恥心と何にも変えがたい喜びを感じながら手を振ってヤスダと別れ自分のマンションへと帰った。
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わい - はじめまして(*^^*)楽しく読ませてもらいました！続きが気になります！更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2017年7月10日 1時) (
レス) id: 397f5c791b (このIDを非表示/違反報告)
寧々(プロフ) - とっぽっぷさん» コメントありがとうございます！そんなことを言ってもらえて本当に本当に嬉しいです！これからも頑張りますね(^^) (2017年2月25日 22時) (レス) id: 232e24a4a7 (このIDを非表示/違反報告)
とっぽっぷ - かっこいいヤスくんにどんどん飲み込まれてくのが悔しいけどドキドキ！みたいな！させてもらってます(〃п〃) 更新ふぁいとです！ (2017年2月24日 8時) (レス) id: 8670bf754b (このIDを非表示/違反報告)
寧々(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます！楽しみにして下さっている様でとても嬉しいです！！これからも頑張りますね(^^) (2017年2月20日 22時) (レス) id: 232e24a4a7 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - とっても面白いです！バーテンダー、ヤスダくんかっこよすぎて毎日ときめいています 笑。これからも更新楽しみにしています！頑張って下さい！ (2017年2月19日 18時) (レス) id: 005b2bfdb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寧々 | 作成日時：2017年2月8日 23時
