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ヤスダが隣で煙草に火を付ける。
少し煙たそうに額に皺を寄せ歪めた顔が妙に色っぽい。
｢この前女の子たちいっぱいだったね｣
｢クリスマスの時？いっつももうちょい早い時間に来てくれてる子らが大集結してんな〜｣
｢モテモテじゃん｣
｢まあでも大倉と二分割やん？｣
｢…告白とかもされるの？｣
｢…うん。してくれる子もおるよ｣
小さく溜息をついて顔を俯かせながらゆっくりと答えたヤスダは、まるで報われなかった誰かの大切な気持ちを全て背負っているようで見ていて苦しかった。
｢そっか…大変な仕事だね｣
｢それなりに｣
ヤスダがいかにもキツそうなお酒をグイッと飲み干す。
私も、とお酒に口を付けると少しの量のはずなのに甘ったるくて美味しいはずなのに頭がクラっとした。
｢…ねえ｣
｢ん？｣
｢これまたキツイお酒でしょ。何だっけ、レディーキラー？｣
｢…意外と全然潰れんねんなぁ｣
｢…潰してどうするのよ｣
｢ん〜、潰してから考えるわぁ｣
こいつは小悪魔なんかじゃない、正真正銘の悪魔だ。
悪戯そうにクスッと笑い、舌なめずりをしたコイツを横目で睨んでいると、目が合って｢ん？｣って顔だけで返事したヤスダが気怠げに口から煙を吐き出した。
｢ねえ私もう十分酔ってるからさ、酔わせたお詫びに私のしょうもない話聞いてよ｣
｢いくらでも｣
そう言って煙草を灰皿にジュッと押し当てたヤスダが、持っていたグラスを置きこちらに体を向けてくれる。
記憶の彼方へ葬った話をやっぱり誰かに聞いてもらいたくなって、自らのしょうもない失恋話を酔いに任せて話し始めた。
｢レストランの外の喫煙所でライター無くて困ってたらアンタが貸してくれたあの夜ね。その5分前に私男にフられてたんだ。
最近は確かに会ってなかったけど仲は良かったんだよ？普通に。
それなのに、よりによってクリスマスの4日前に最低なフられ方してさ、いきなり母子手帳見せられて別れてほしい、だよ？
どんな顔すればいいか分かんないっつーの｣
ここまで一気に喋り、一口グイッとカクテルを喉に押し込む。
｢その程度の男だったんだし、今さら引きずってもないから同情、とかじゃないんだけどね…
…冷静に考えてみれば私にも悪いところはあったのかもしれないからそんなにキツくは言えないし｣
そう言って空になってしまったカクテルグラスに手を伸ばそうとすると、カウンターのテーブルに乗せていた左手に突然違和感を感じた。
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わい - はじめまして(*^^*)楽しく読ませてもらいました！続きが気になります！更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2017年7月10日 1時) (
レス) id: 397f5c791b (このIDを非表示/違反報告)
寧々(プロフ) - とっぽっぷさん» コメントありがとうございます！そんなことを言ってもらえて本当に本当に嬉しいです！これからも頑張りますね(^^) (2017年2月25日 22時) (レス) id: 232e24a4a7 (このIDを非表示/違反報告)
とっぽっぷ - かっこいいヤスくんにどんどん飲み込まれてくのが悔しいけどドキドキ！みたいな！させてもらってます(〃п〃) 更新ふぁいとです！ (2017年2月24日 8時) (レス) id: 8670bf754b (このIDを非表示/違反報告)
寧々(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます！楽しみにして下さっている様でとても嬉しいです！！これからも頑張りますね(^^) (2017年2月20日 22時) (レス) id: 232e24a4a7 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - とっても面白いです！バーテンダー、ヤスダくんかっこよすぎて毎日ときめいています 笑。これからも更新楽しみにしています！頑張って下さい！ (2017年2月19日 18時) (レス) id: 005b2bfdb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寧々 | 作成日時：2017年2月8日 23時
