レディーキラー(青)

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−12月21日 クリスマス4日前



私は彼氏に突然呼び出された。


クリスマスに呼び出すならまだしも、こんな微妙な日だとどう頑張っても良くない理由しか浮かばないが、仕事が忙しい彼からの少し早めのプレゼント。



そう信じることにした。



待ち合わせ場所は小洒落たレストラン。


彼氏は妙に緊張した様子で既に席に座っていて



｢ごめん、待った？｣

そう言いながら席についた私に真っ先に投げつけられた言葉は



｢あのさ…ごめん｣
｢え？｣



何のことか全く分からなかった。


いや分かったはずなのに、次の言葉はどうしても自分では分かりたくなかった。



｢…俺から離れてほしいんだ｣



そう言って彼が差し出したのはピンクの手帳。


書いてある文字は…｢ボシテチョウ｣


手帳の幸せそうな色とは裏腹に私の目の前からはどんどん色が無くなっていく



｢……は？｣
｢ごめん、本当にごめん｣
｢何で一緒にいるはずの女がいないの？｣




｢…ややこしくなるから｣



馬鹿じゃないの？


そう思い大きな溜め息をつくと


｢いやだってさ聞いてよ。あんなに可愛げあってさ、めちゃくちゃ女の子でさ…いやそんなの誘われたらさもう仕方ないじゃん？｣


ここぞとばかりに無駄な言い訳をつらつらと並べてくる。


もうお前に需要なんて一切ないし、金輪際顔も見たくない。


いま私が爆発しても周りの目が冷たくなって恥かくだけだし、時間の無駄だ。



話にならない。




そう確信した私は


｢別れてくれてありがとね｣


この言葉だけ残して、入ったばかりのレストランを出た。

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