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玲王「おせぇな……」

 凪が帰ってこない。

 「ちょっくら探索〜」と言って凪が部屋を出て行って30分、まだ戻ってくる気配はない。

 まさか、屋内で迷子になったのか……?


玲王「(あ、電話……)」

 スマホを見ると、千切からの電話だった。


玲王「よっ、なにかあったか?」

千切《ああ。Aのことで少し、いや、結構心配してることがあってさ》

玲王「心配……?」

 千切の深刻そうな声色に、玲王は耳を傾けた。

 —————————


 すれ違った使用人に案内してもらったAの部屋。
 玲王には悪いけど、一足先にAの所に行くね。

誠士郎「あ、」

 『はい……いえ、それは先ほど話したものです。
 ですので、今話したプランで……』


 パソコンに食いつくように忙しなく指を動かす。

 終わるまで立つのも面倒だからベッドで寝転んで待ってよう……


 —————————


玲王「“非通知の電話”?」

千切《俺じゃなくて姉ちゃんが見たんだけど……
 でもA、それが生活にも響いてるっぽくてさ》

 千切から聞いた話によると、Aのスマホに“非通知の電話”がよく掛かってくるらしい。

 千切の姉が見かけただけでも3回は掛かって来たらしい。

千切《Aは姉ちゃんと同じ部屋で寝たんだけど、めっちゃうなされてたらしい……》

玲王「え……」

千切《苦しそうに泣いてた……って聞いた。
 俺は実際に見てないから何とも言えないけど》


 いつも明るくて、優しくて、とても頼り甲斐がある。

 そんなAでも、1つ欠点があるとしたら……
 それは、自分ひとりで抱え込んでしまうことだろう。

 だからこそ、そんな彼女のことが心配でならない。


玲王「その後は?」

千切《まったく起きないから、背中とか頭撫でてやったりしたらしい。結局寝落ちして同じ布団で寝たってさ》

玲王「そうか……」

千切《なあ、少しでいいからアイツのこと気にかけてやってくんね?俺も姉ちゃんもそれが心配でさ……》

玲王「ああ、俺が必ず守ってみせる」

千切《ん、頼んだ御曹司》

玲王「おう、まかせろ」


 そういうとプツリと切れた電話。

 今のAが抱えている悩みを、俺が一緒に抱えて解決することができる機会(チャンス)だ。

 やっと、彼女の力になれる——————




 ……ていうか、凪のやつマジで遅くね?

3,→←1,



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ネムノキ(プロフ) - LiLiさん» コメントありがとうございます!長らくお待たせしてしまいましたが、本編を更新いたしましたのでぜひ!番外編もよろしくお願いします♪ (4月21日 22時) (レス) id: 2f94861ab5 (このIDを非表示/違反報告)
LiLi(プロフ) - ネムノキさん» 青い檻のバーサーク6の方も楽しみにしてます!!めっちゃ面白いんで頑張ってください!! (4月1日 21時) (レス) id: de7dec8312 (このIDを非表示/違反報告)
ネムノキ(プロフ) - コメント欄にて失礼します!長らく続きを出せず、申し訳ありませんでした!近いうちに氷織&烏編を一気に出すのでお楽しみにしていてくださいm(__)m (3月26日 23時) (レス) id: 2f94861ab5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ネムノキ | 作成日時:2024年2月8日 0時

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