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卓球の後、今度はサッカーをした。
 やっぱりAは強くて、めちゃくちゃすごい。

 なんでサッカー辞めちゃったんだろう……


“『私は嘘つかないよ』”




 誠士郎の頭に“青い監獄(ブルーロック)”での出来事がふと蘇る。

 大丈夫じゃないくせに、
 嘘ついて無理してるくせに……


誠士郎「うそつき」

 ポツリと口から出たモヤモヤした言葉。
 幸い、玲王にもAにも聞こえていない。


 『レオ〜、おんぶしてぇ〜』

玲王「もしかして凪のマネ?」

 『そう!ポイントは発する言葉を脱力させる!』

玲王「なんだよそれwwwww」


誠士郎「(・x・)……」

 知ってるよ、玲王ってA好きなんでしょ?
 たしかに玲王は王子様みたいだもんね、外も中も。


 ——————ねぇ、A……俺も好きだよ。


 Aのコト、がんばって理解しようとしてる。
 大好きで、全く面倒じゃない、特別な子だもん。

 だから、少しくらい……


誠士郎「A」

 『誠士郎くん、次どうする?
 他の練習やってみても……ぅわっ⁉︎』

 Aの両脇を支えて、高く持ち上げてみる。
 要するに“たかいたかい”をしている、みたいな?


誠士郎「…………」

 『……せ、誠士郎、くん?』

誠士郎「……ねぇ、よく見える?」

 『えっと、うん。
 誠士郎くんのおかげでいろいろ見渡せてるよ』

誠士郎「違う、そうじゃなくて」


 ——————俺のこと、ちゃんと見えてる?

 少しくらい、俺にもかまってよ。


玲王「なに“たかいたかい”してんだよ、凪」

 『ねぇ、重くない?降ろしていいんだよ?』

 大人っぽいけど、どこかあどけなさが残る感じ……
 完璧な彼女に、少しでも欠点があれば補えるのに。


玲王「凪、そろそろAを降ろし……え、?」

 誠士郎が腕を下ろしたかと思えば、そのまま前に抱きかかえてしまった。


 『……あ、あの……私、汗かいたから…………』

誠士郎「……」

 『(あれ、もしかして聞こえてない……?)
 玲王くん、ちょっとヘルプか、も”っ⁉︎』


 今だけは俺以外のこと、考えないで欲しい。
 その意味も込めて抱きしめる力を強くする。

 大好きな声を近くで聞けて、大好きな匂いを肺いっぱいに吸い込んで、大好きな存在をただ噛み締める。



 どうか、大切なキミが勝手に消えませんように。

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ネムノキ(プロフ) - LiLiさん» コメントありがとうございます!長らくお待たせしてしまいましたが、本編を更新いたしましたのでぜひ!番外編もよろしくお願いします♪ (4月21日 22時) (レス) id: 2f94861ab5 (このIDを非表示/違反報告)
LiLi(プロフ) - ネムノキさん» 青い檻のバーサーク6の方も楽しみにしてます!!めっちゃ面白いんで頑張ってください!! (4月1日 21時) (レス) id: de7dec8312 (このIDを非表示/違反報告)
ネムノキ(プロフ) - コメント欄にて失礼します!長らく続きを出せず、申し訳ありませんでした!近いうちに氷織&烏編を一気に出すのでお楽しみにしていてくださいm(__)m (3月26日 23時) (レス) id: 2f94861ab5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ネムノキ | 作成日時:2024年2月8日 0時

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