縁結び【滝川雅貴】 (ページ5)

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矛盾ページ5

森岡先生「おや？どうして……」

湊「家は母が亡くなってから家事は殆ど俺がしてて……」

そう言いながら湊くんは脇腹の下あたりを抑えていた。

その時一瞬だけど眉が動いていた。

ご病気？……かな、それとも……。

ううん、それ以上に表情が曇っていたのは……静弥くん？の方だった。

何か自分が悪い……と言いたげな、暗い顔。

森岡先生「なんと……」

重い話を聞いて先生も先程まで上がっていた眉が下がっていく……よりも遼平くんはみるみる顔が青ざめていた。

遼平「おばさん亡くなったの？……何も知らなくて…ごめん」

湊「小6の夏だからもう全然……」

森岡先生「そうか……鳴宮くんのことは惜しいが無理強いはしない、気が変わったら見学だけでも来ておくれ。いつでも大歓迎じゃ」

湊「はい……」

そう一言返事を言って湊くんは扉に向かう。

なんでだろう、私の中で何か黒いものが渦巻いてる感覚。

――――矛盾――――

弓道場に入った時の湊くんの目は遼平くんは別の意味で目が輝いていた。

弓を引きたい……そんなふうに感じた。

入部しない理由を言った時も、湊くんの中で弓を引かない理由を…ホントの理由を隠してる様な……。

そうなんとなく思った。