縁結び【滝川雅貴】 (ページ3)

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風が吹くページ3

入学式を終えて早々私は道場に向かっていた。

別に入学式が嫌とか教室にいるのが辛いという訳では無い。

単純に早く弓道場に行きたいだけだ。

ここ風舞高校には誰にも使われていない弓道場がある。

ーーーーーーー
ガラガラ……

弓道場の扉を開けると騒がしい校舎側と違って静かな時間が流れる。

この冷たい空間が私は好き。

私は榊の水を変えて神棚に一礼する

ーーーー弓の神様

ここへ降りてください

私を見守っていてくださいーーーー

今日は入学式があったから道着も弓も持ってきていない。

私「今日は掃除だけやっておこう」

そう言って取り掛かろうとした時、道場の扉側から声が聞こえた。

「おぉ早坂くん道場に来ておったのか」

私「森岡先生、今日は掃除だけして行きますね」

森岡先生は今年から風舞高校に赴任してきた先生で、弓道をやっている。

森岡先生「大丈夫じゃよ、それよりいい知らせじゃ」

私「？」

いつも笑っている森岡先生の顔が明るく見える。

森岡先生「新入部員じゃよ!!」

新入部員？

もう？

「うっわー!!すんげえー!!」

目を輝かせて男の子が入ってきた。

それに続いて男の子が2人。

森岡先生「せっかく弓道場があるというのに弓道部は暫く部員が1人もおらんかった」

目を輝かせていた子とは別の男の子が体を的前側を向いて目を見開いていた。

森岡先生「そこで校長先生がわしに風舞高校弓道部再生のミッションを下したというわけじゃ!!」

先生は部名が達筆に書かれた部の看板を嬉しそうに持つ。

そう、そのために私もここへ来たんだ。