バツ恋２

× ページ11

直己side









……やはりこいつは馬鹿なのか？





……いや、もう馬と鹿にも申し訳ないんじゃないか？









ソファに座り込んで前屈みに座りうな垂れたままの隆二は、俺が来たとわかったのか片手だけを上げたが、顔は床を見下ろしていた。









「 ……どうした。」



『 …………。』



「 仕事の話は出来たのか？ 」



『 ……うん。』



「 そうか。」



『 …………。』



「 ……それで？そのへこみようはなんだ？ 」









仕事の話だけならへこむ必要もあるまい。
あのLDHの仕事を受けて来たんだ。
褒め称えることであってへこむことは一切ない。






ならば……このへこみようは……









“ お金。隆二、お金だよ。”









……そんなことは、言わない子だな。



それとも……









“ 離婚してせいせいした ”









……なんてことは……









ないだろうな……。









『 ……泣かしちゃった…… 』



「 ……それで？ 」



『 ……謝ったんだ、、俺、、…… 』



「 …………。」



『 ……後悔してないって言って泣いてた…… 』



「 …… ……。」









……だろうな。









「 お前、ちゃんと話したか？ 」



『 ……謝っただけ…… 』



「 なら…どうして泣いたんだろうな。」



『 ……わかりません……。』









俺の大きくついたため息は
隆二の肩身をまた小さくした。









「 まだ社内にはいる。探してこい。」



『 ……泣いてたし、 』



「 お前……Aちゃんをどうしたいんだよ。俺が後釜狙ってもいいのか？ 」



『 ……やだ……。』



「 なら今すぐ行け。」



『 ……どこに……。』



「 探せ。」









．









．









『 直己さ〜ん、社長どこ行ったんすかー？ 』



「 さぁな。それより登坂呼んでくれ。」



『 あー、、、、 』



「 どうした？ 」



『 ちょっと、、、あのナイトならどっか行っちゃいまして、、、 』









…………なに？









「 どこ行ったんだ？ 」



『 あー、、たぶんすぐ来ると思いますけど…… 』



「 あいつは仕事を舐めてるな。」



『 そうっすよねー…… 』









．

×→←．

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す