Gray Zone３

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隆二side






オミが臣子を送っていくって言えば……




『 ご馳走さま 』って俺の後ろを通り過ぎようとする。



でも今日は、そうはいかないんだよね。






「 Aさん、オミが今日清算してって。 」


『 え、あ…いくらですか？』




本当は、タダなんだけど。




「 んーーー、オミに聞いて。」





こうでもしないと、一緒に帰れないし。
俺がこう言えば、気まずそうにしたAさん。




岩子も裏から出てきて、岩田の隣に座ると、一つ椅子を開けて座った。








マジで…なんかした？

オミみたいに録画なんてしてないし、自分でも思い当たる節がなさ過ぎてわかんねーし…。







剛典
『 まさか25階の美人さんが隆二さんの彼女なんて意外。』


岩子
『 同じビル内なんだっけ？』


剛典
『 うん、俺のフロアの下の人 』


岩子
『 そうなんだ… 』


剛典
『 もう結婚してるかと思ってたな〜 』







おい、岩田…自分で自分の首を締めてどうすんだよ。
結婚してなきゃ、狙ったのにって聞こえんぞ。







剛典
『 隆二さんのどこが好きなんすか？ 』


今子
『 ………秘密。』


剛典
『 俺はね〜、、、 』


岩子
『 …………。』





うわ、見つめ合っちゃってるし…。
話を振られたAさんもそれに気づいたのか、顔をそらすと久々に俺と目が合った。








顎でいつもの定位置にさすと、静かに移動した。








「 なぁ、、、 」


『 ん？ 』


「 なぁ……って、、 」


『 だから、何？ 』


「 なんで顔あげねーの？ 」





俯いたまま、グラスを見つめてるだけのAさん。
俺の問いにも『 別に 』って。





『 オーナーさんまだ来ないの？ 』


「 んーー？？」


『 いくらくらい？置いて帰るよ。』


「 さぁね。俺、金勘定係じゃないし。」


『 …………。』






なぁ、、言ってくれなきゃわかんねーよ。
オミが来たらまた逃げるんだろ？





今日は、絶対に逃がさないから。








．






岩田が俺を見てニヤリと笑った。


笑う暇があるなら、自分の方もどうにかしろよ。









なんて思っていればAさんの待ち人のオミが登場。



すぐに席から立ち上がり、オミに『 いくらですか？ 』って聞いてるAさんの手首を掴み、店を後にした。






『 は、離して…仕事は！？ 』


「 いい。帰るって伝えてる。」


『 飲み逃げになるからっ、 』


「 俺が払ってる 」






今日は、絶対に逃がさない。




．

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