Gray Zone３

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剛典side







《 隆二さんに送らせるから心配しないで。》





そう別れ際に今子に言われて、心配しないわけない。

隆二さん、カッコいいし、優しいし、女が好きそうなこと、俺が狙ってやることを、あの人は、平然とやりのける。



BARの客が虜になるのもわかる。

カウンターの客の注文を間違えて、ペロッと舌出しすればカウンターの客が頬を染める。バーテンダーが酒の注文を間違えるのもどうなんだ？って話だけど、シェイカーを振る仕草も色気を纏う。



そんな人が送るって、心配しかないっしょ。



今子に心配じゃない？って聞いたら……



《 人格を変えてって言うのもおかしいでしょ。》って。





むしろ俺的には、変えて欲しい。





オミさんと隆二さんは、仕事も完璧？でプライベートも羨ましいくらいにカッコいい。

前に今子と臣子を迎えに来た時も、オミさんならわかるよ。細身のスーツを身に纏って、完全にに出来るサラリーマンの風貌。一方の隆二さんも細身のスーツに銀縁の眼鏡。これまた女子がキャーキャー言うサラリーマン。

私服も自分に似合ってるって知ってる服装で、自信満々で。





この2人に勝てる要素なんてなにもないかもな…。
臣子に手を少しだけ手を出したことを後悔するよ。







タクシーに一人で乗り、オミさんにLINEでAの住所を聞き出して、初めてのAさんの家の前に到着。






…………







やっぱ辞めてほしいな…。
あんなイケメンに囲まれて仕事するなんてさ、
耐えられそうも無い……



客からあの二人に守られるけど、
守られるうちに惚れたらどうする？









やっと帰って来たと思っらた、俺をスルーしてアパートに向かうAさん。





こんな日がいつか来るのか…？








俺の方をゆっくりと振り返れば
ニコッと微笑んだ……。









家に招かれれば、写真立てにすぐに目が行って……





幸せそうに微笑むAさん。
俺の隣以外にこんな顔を見たくない……。








自分にこんな感情があったなんて、知らなかったよ……







貴女に会うまでは……。







……これをあの2人に言うと笑われるんだろうな……。









．






誰にも渡したくない
触れさせたくもない
俺だけのものにしたい








．

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