本当の君

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隆二side





岩ちゃんから書類を奪い経理部に向かうと経理部の近くの休憩スペースに人だかりが出来てた。






『 お前、なんでいつも俺のやんだよ！！触んなって言ったじゃん！！ 』






俺に関係ねーし。
人だかりの後ろを通って、経理部にそのまま足を進めた。




『 地味子またやらかしたの〜？ 』

『 契約飛んじゃったらしいよ？ 』

『 マジで？ 』







地味子？契約？

人だかりをあと少しで過ぎるって時に、野次馬の声が聞こえた。




野次馬と同じ方向を見ればグレーのスーツ姿の髪を一本にまとめた女の子の後ろ姿と営業の先輩。





野次馬にどうした？って聞けば呆れた理由が返ってきた。




地味子が作った書類をそのまま取引先に出したらしく、なめてんのか？って言われて取引停止。しまいには、お前じゃ話にならんってなって、社長にまで話がいったらしい。



確認しない先輩が悪いんじゃん。
ほんと残念な先輩だな。






『 毎回、毎回俺のだけやりやがって！ふざけんじゃねーぞ！？』


『 …………。』






黙ってる女の子……




よく見ればAちゃんじゃん。







俺とバッチっと目が合った先輩が自販機を拳で叩き野次馬に罵倒し去って行き、野次馬も散りじりになった。









は？なんで俺が睨まれるわけ？
去り際に、俺を見た先輩。
俺の方が厳ついと思うけど？







ま、あの先輩嫌いだからいいんだけど。この際地方に転勤してくねーかな。





Aちゃんは、何も言わず散らばった書類を拾ってた。







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