本当の君

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広臣side




カーテンを閉めようと窓に近づくと、大学の時に遊んだ水鉄砲がベランダに置かれてた。懐かしいな。なんて思い、ベランダに出ると、下で何かが光った。ベランダから下を覗けば、携帯に照らされた男。





明るくなったかと思うとまた暗くなった。




マジでストーカーか？




Aをベランダに呼ぶと怯えたような顔した。








へぇ……上等じゃん。
俺のAにこんな顔させるなんて。









Aを呼び寄せ、ベランダに出たAを抱き寄せ、ベランダに手をついて俺とベランダに挟まれたA。




『 な、なに？ 』




口が動いたの見逃さず、両手で顔を固定しストーカーに見せつけるようにAの唇を塞いだ。





『 ちょ、ひろ、、、 』




Aがトントンと俺の胸を叩いても角度を変え何度もキスを降らした。






横目でストーカーの様子を伺うと、俺とAのキスシーンを食い入るように見てる。









Aの唇を吸い、舌を奥に入り込ませれば甘い声が漏れ、Aが俺のＴシャツをギュッと握った。









唇を離すと力なくベランダにしゃがみ込んだAの口に人差し指を当てた。



『 ん、、 』


「 静かにしてろよ？ 」









腰を屈ませ、Aの部屋を出てストーカーのいる場所に急いで行くと、アホ面した男がまだいた。







「 おい、なんか用か？ 」






俺の声に反応したストーカーの目が泳いだ。俺と目が合うと、血の気の引いた顔が車のライトに照らされた。





『 な、なんでもないで、す。 』


「 お前、誰？ 」




胸ぐらを掴み上げるとストーカーのポケットに入っていたスマホが音を立てて落ちた。顔面を壁に押し付け、スマホを拾うと表示された俺とAのキスシーンの写真。




全部削除し、スマホを落とし思いっきり足で踏みつけるとパリッっと乾いた音がした。




目を見開きストーカー男を見下ろす。



「 もう、こんなことしねーよな？ 」


『 ふぃまふぇん、しまふぇん、、、 』


「 あ？ 」


『 ふいまふぇん！ 』






手を離すとダッシュで逃げていった男。
もしや！？あいつが忍者付箋か！？




どおりで足が速いわけだ…。
手をパンパンと叩き、Aの部屋に戻る。









ベランダでまだ腰砕けのA。





「 そんなに気持ちよかったか？ 」




なんて言うと、Aのそばにあった水鉄砲が俺に飛んできた。







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