本当の君

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Aside




はい！今日金曜日ー！！
しかもプレミアムフライデー♡
なので15時で業務終了！



経理部(私)が唯一残業がない日。
あと５分で終業のチャイムが鳴る。




明日、何着て行こうかな。
直人さんのお店だし、あ、でも広臣の同伴だ…。
広臣、何着ていくんだろ。それに合わせなきゃな。






パソコンの画面を見ながら何着て行こうとか、考えてると急に悪寒が走った。




な、なんか、、視線をかんじる…。


入り口に目を向けると、カウンターから頭と目が見える。



こわっ！！ww




『 Aさーーん……泣 』



私と目が合うと立ち上がり、Ｙシャツの第1ボタンを外し、ネクタイが緩くなってる男…。


営業部の新人だっけ？




「 何か？ 」


『 これ…… 』



目を潤ませる子犬とでも言うべきだろうか。
子犬が終業のチャイムとともにカウンターの上に置いたもの。




『 ごめんなさい！！お願いします！！ 』



ゴンっと言う音とともにカウンターに両手を付き、おでこまでつけた子犬。


痛くないのかな？




「 コーヒーでいいですよ。 」


目をキラキラさせて、顔を上げ『 すぐ買ってきます！ 』と言って経理部を後にした。




プレミアムフライデーがーーーっ！！泣
なんて思いながらもパソコンを再起動させ、すぐに作業に移る。





眼鏡をクイッと上げた…。




『 Aさんって色気ありますよねー。』


は？

ゆっくりと首を入り口に向けると、
子犬が顔横でコーヒーの缶を振った。




「 あと少しで終わります。 」


『 はーい。 』



カウンターに両肘を付き両手で顔を支えた子犬。
何が楽しいんだろうか…。
ニコニコしながら、たまに顔を揺らす子犬。




「 出来ましたよ。 」


『 ありがとー。 』


「 こちらこそ、コーヒーありがとうございます。 」


『 あ、俺、岩田って言います。剛典って呼んで下さい。 』


「 はい？ 」


『 はい、剛典 』


「 剛典、さん 」


『 うんw 』





可愛らしい笑顔をくれた子犬。
営業部は、自己紹介が流行ってるんですかね…。



あ、忍者付箋に連絡してないや。






ま、いっか。






デスク周りを片付けて、鞄を机の上に置いた。






『 あ、いた。よかったー。 』







．

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