本当の君

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広臣side




昼休みが終わる…
そろそろAが俺の書類を持ってくる頃だな。





『 はい、臣。 』




入り口の方を見ていた俺に差し出された茶封筒。



『 嘘言ったら、かわいそうじゃん。小林部長いないし。』




隆二がニンマリしながら、自分の書類を茶封筒から取り出した。そこには、昨日買ったと思われる羊の首がなげーやつが並んでた。





『 これ羊？ 』


「 アルパカ 」




大事そうに付箋を外し、パソコンの画面枠に貼り付けた隆二。お前のパソコン、阿波踊りやら動物やら達磨やら大変にことになっている。



Aと隆二、どっかであったのか？





俺も書類を茶封筒から取り出すと鳥の付箋が２枚。



『 お、臣は、鳥だ。 』


「 オウム 」



横目で見るとニコニコしてパソコンで作業する隆二。





隆二、知ってるか？
お前がAから来た付箋をパソコンに貼るせいで、《 今市は、リカさんに夢中 》って言われてんの。


あの地味子がこんな付箋を使うわけない。って思われてるからな。





『 あーーーー！？ 』



机に肘を付き横目で見ていた俺に隆二のデカい声が響いた。




「 なんだよ。」


『 な、なんでもない！！ 』


「 はぁ？ 」


『 あ、そうだ、臣、服詳しいよな？今度お得意様の式典？でさ、何着ればいいと思う？ドレスコードないから、困っててさ。 』


「 なんでもいいんじゃん？ 」


『 うわ、ひどい。』




お得意様の式典ってなんだよw
って思いながらも、今日、仕事帰りに隆二の服の買い物に付き合うことになった。





パソコンに目を戻すとパソコン横の寿司のスマホスタンドにかけられたスマホの画面が明るくなった。






LINE
A： 嘘つき






こうでも言わないと、お前会いに来ねーじゃん。
スマホに声を出さずに《 バーカ 》と言った。







『 幸せそうで何よりだね〜。』







ニヤニヤしながら、俺を見てる隆二。
横目でまた隆二を見ると、アルパカの付箋をいつも使ってる手帳に１枚だけ貼った。








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